パキスタン人民党は22日夜、イスラマバードで次期首相候補をユスフ・ギラニ党副総裁に決定したことを発表しました。
今年56歳のギラニ氏はパンジャブ州ムルタン県の出身で、1988年に人民党に参加し、1993年から1997年まで下院の議長を務めました。
2001年にギラニ氏は職権乱用の罪で拘束され、2006年に釈放されました。
しかし、職権乱用罪という判決は下っておらず、ギラニ氏の身柄拘束は国内で大きな批判を受けています。
先月18日の議会下院選挙でパキスタン人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派が、それぞれ第1党と第2党となりました。
そしてこの両党は連立政権の組閣で合意し、人民党が下院の議長と副議長、それに首相の三人を指名することになりました。
首相候補は、これまで人民党内部では、去年暗殺されたブット元首相の夫であるザルダリ共同総裁とファヒム副総裁が有力視されていましたが、ザルドリ共同総裁は下院の議員ではなく、首相就任の資格をもっていません。
また、シンド州出身のミルザ議員が下院の議長に選出されたため、同じくシンド省出身のファヒム人民党副総裁が首相候補として出たものの落選しています。
ところで、首相指名選挙は24日に下院で実施されることになっています。
これを前に第2党のイスラム教徒連盟シャリフ派を率いるシャリフ元首相は人民党の指名候補を受け入れると発表しました。
また、下院第4勢力の「ムータヒダ民族運動」(MQM)が擁立したサッタル候補は21日、首相になることを断念した上で、人民党候補への支持を表明しました。
こうして人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派などは議会下院で3分の2の議席をもっていることから、ギラニ副総裁の次期首相就任は確実となっているのです。
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