先月18日の下院選挙で勝利したパキスタン人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派は9日、パンジャブ州のマリーで党首会談を行いました。
会談後の記者会見で両党は連立政権の樹立を発表しました。
声明は「連立政権では人民党が主導し、首相は人民党から選出される。新政府が発足して1カ月以内に、去年11月の非常事態宣言で解職された前最高裁長官らを復職させる。人民党は下院の議長と副議長を指名する。パンジャブ州ではイスラム教徒連盟シャリフ派が主導し、州議会の議長と副議長を指名する」としました。
先月18日の議会下院と州議会選挙では人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派が勝利し、それぞれ第1党と第2党になりました。
それ以来、両党は連立内閣の組閣をめぐり、度々交渉を行っています。
第1党の人民党は連邦政府の首相、議会下院議長と副議長などの主要職を獲得しています。
イスラム教徒連盟シャリフ派の支持基盤は最大民族パンジャブ人が住むパンジャブ州であり、シャリフ派はこの州の政府と議会で主導的地位を獲得しています。
去年11月3日、ムシャラフ大統領は非常事態を宣言し、現行憲法を停止し、最高裁長官などを解任しました。
これに対し、イスラム教徒連盟シャリフ派は解任された判事の復職を求め、下院と州議会選挙の勝利を受け、ムシャラフ大統領の即時辞任を要求しています。
連立政権合意で人民党はイスラム教徒連盟シャリフ派による判事復職の要求を支持し、両党の会談は大きな成果を上げています。
当面、パキスタンでは新首相の指名と次期議会下院の本会議招集が注目されています。
ただし、人民党内部では新首相の指名が明確になっておらず、ザルダリ共同総裁は先月20日、「首相職を求めない」と表明しました。
また、支持基盤のシンド州出身のファヒム副総裁も有力視され、パンジャブ州出身の別の候補も提案されているということです。
次期議会下院の1回目の本会議についてハイダル法相は「議会招集の日時はムシャラフ大統領によって決定される」と述べました。
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