パキスタンの議会選挙は、今月18日に行われる予定です。16日、北西部にある野党パキスタン人民党選挙事務所の近くで自爆テロが発生し、120人余りが死傷しました。これにより、人々は、議会選挙が安全に実施されるのか懸念しています。時事解説、今日は、この問題についてお伝えします。
自爆テロは、パキスタン北西部のパラチナルにある人民党系の候補者リアズ・フセイン氏の選挙事務所の近くで起きました。集会後、人民党の支持者たちがフセイン氏の選挙事務所に向かっていたところ、一人の男が運転していた車が人ごみの中に突入し、爆発しました。少なくとも37人が死亡、90人余りが負傷しました。また、この日、身元不明の武装グループが北西部にある3つの投票所を爆弾で破壊しました。
ところで、ブット元首相が暗殺されたことを受けて、パキスタンの議会選挙は予定していた1月8日から2月18日に延ばされました。国際社会から注目を集めている選挙で、ムシャラフ大統領も、「国の将来に関わっている」と強調しています。
しかし、最近、議会選挙の妨害を狙った自爆テロが頻繁に発生しています。北西部はテロの多発地域です。今月9日、11日、14日に、北西部の三カ所で候補者を目標とした自爆テロが発生し、数十人が死傷しています。選挙日が近づくに従って、パキスタンの治安情勢がますますきびしくなってきています。内政省によりますと、多くの政党の指導者が暗殺の対象者リストに入っているということです。
議会選挙が順調に行われるようにするため、パキスタン政府は、一連の安全対策を取っています。ムシャラフ大統領と内閣は、選挙に参加している候補者と投票者の安全を保障するよう関係部門に指示を出しました。関係者によりますと、投票日に政府は、全国で40万人以上の警察などを動員する予定です。また、8万人以上の治安部隊を派遣し、8923カ所の「安全が懸念される」投票所で治安維持にあたることになっています。
こうした対応にもかかわらず、パキスタンの選挙時の治安は懸念されています。専門家は、「議会選挙は最後の段階に入った。各政党の利益の衝突がさらに激しくなったため、パキスタンの治安情勢に間接的な影響が出た」と見ています。一部のテロ組織や過激派は、混乱を引き起こすことによって、選挙を妨害しようとしています。また、選挙前に自爆テロが頻繁に起きたことで、各政党の間のわだかまりも生まれ、選挙の不安定要素が高まっています。
|