パキスタンのブット元首相の葬儀は28日午後、ふるさとのシンド州で行われました。それと同時に、パキスタンの多くの都市で混乱状態が続いています。ブット元首相が暗殺されたことはパキスタンの治安情勢の更なる悪化を導き、まもなく行われる議会選挙に不確定要素をもたらすに違いないと、世論は分析しています。
報道によりますと、ブット氏の遺体はふるさと、シンド州にある家族墓地に運ばれ、その父親、パキスタンで初めての選挙による首相だった、ズルフィカル・アリ・ブットの墓の側に安置されました。
ブット元首相が暗殺されたことは、緊迫したパキスタンの情勢をさらに、エスカレートさせました。葬儀の当日、一部ブット氏の支持者は街頭で火をつけ、建物や車両、店などが燃やされたほか、警察とも衝突をしました。シンド州で、怒りを感じた市民が数百台の車、銀行と役所の建物及び10の駅と数両の列車を燃やしました。28日、北西部のスワート渓谷でも爆発事件が起き、与党、イスラム教徒連盟クアイディアザム派の議会候補者を含む13人が死亡しました。ブット氏がなくなった後、その支持者はイスラム教徒連盟クアイディアザム派に憎しみを持つようになり、これら報復行動を食い止めなければ、全国範囲の混乱が引き起こされる可能性があると、世論は指摘しています。
また、ブット氏の暗殺事件は来年1月8日に行われる予定の議会選挙に不確定要素をもたらしています。これまで、パキスタンの各反対組織は議会選挙に抵抗をしていましたが、ブット氏が率いる人民党が選挙出馬を発表してから、反対していたイスラム教徒連盟シャリフ派も選挙出馬を発表せざるを得なかったのです。これらはパキスタンの情勢を安定させました。ところで、ブット氏がなくなった後、シャリフ氏は27日に、イスラム教徒連盟シャリフ派の退陣を宣言しました。これと同時に、人民党はブット氏を40日間哀悼することを発表しました。そうすると、哀悼期間にある1月8日の選挙に出る可能性はほとんどなくなるので、議会選挙は延期せざるを得なくなっています。
このような治安情勢の悪化と複雑化した情勢に対して、パキスタン政府は一連の対応策を施しました。ムシャラフ大統領は27日夜、ブット氏のために、半旗を掲げて、三日間哀悼することを発表して、市民に冷静さを保つことを呼びかけました。これと同時に、パキスタンの各大都市でも警戒を強めました。議会選挙について、ソームロ暫定首相は、28日、政府には議会選挙を延期する計画はないとしましたが、「パキスタン政府は選挙に関するあらゆる提案についてパキスタンのすべての政党と交渉する」とのべたので、選挙を延期する可能性はまだ存在すると、世論は分析してます。
(翻訳:東)
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