パキスタン人民党党首・ブット元首相は27日パキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディで、自爆テロによって暗殺されました。関係者によりますと、ブット元首相が暗殺されたことはパキスタン国内情勢と地域情勢に深刻な影響を及ぼすだろうということです。
27日、ブット元首相はラワルピンディで開かれた集会演説を終了した後、車に乗り込み、会場から去ろうとした際狙撃されました。犯人の男が、隠し持っていた銃でブット元首相の首と胸を撃ち、直後に自爆しました。ブット元首相は病院に運ばれましたが、午後6時16分に死亡しました。この外、このテロによって30人あまりが死亡しました。
事件発生後、ムシャラフ大統領はこのテロを強く非難しました。ムシャラフ大統領は「ブット氏は今日、ラワルピンディで野蛮なテロリストに暗殺された。この事件がパキスタンにとってどれほど不幸であるか、本当に言葉では形容できない。私はブット元首相の遺族に対して追悼の意を表す。私はまた、このテロで殺害された罪のない人々に同情の意を表す」と語りました。
ムシャラフ大統領は「ブット元首相を偲んで、全国で3日間にわたる追悼活動を行い、半旗を掲げる」と宣告した上で、パキスタン国民に冷静と安定を維持するよう呼びかけました。
一方、国際社会もそれぞれこのテロを非難しました。中国外務省の秦剛報道官は記者会見で「中国側はこのテロを強く非難する。また、ブット元首相の暗殺に驚いており、遺族に対してお悔やみを申し上げる」と発表しました。
また、国連のパンギムン事務総長は声明を発表し「この事件の目的はパキスタンの安定と民主を妨げることにある。実行犯が早く、司法の場で裁かれることを求める」とした上で、「パキスタン国民はこの困難な時に抑制した行動を取り、安定を維持してほしい」と呼びかけました。
来年の1月8日に行われる予定のパキスタン総選挙の直前にこの重大な流血事件が起こりました。中国現代国際関係研究院アジア太平洋研究所の傅小強研究員は事件について次のように分析しました。
「過激な勢力は、アメリカと仲の良いブット元首相がパキスタンの政治でより大きな役割を担うことを望まない。過激な勢力とテロ組織はアメリカをひどく非常に恨んでいるからだ。ブット元首相とムシャラフ大統領が連携すれば、パキスタン政府はテロ取締りにさらに力を入れることになる」
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