イランの議会選挙が14日行なわれます。しかし、国民の関心は余り高くありません。専門家は、「改革派の多くの候補が事前審査に失格となったため、結局保守派が多数議席を獲得し、引き続き国会をコントロールしていく」と見ています。
イラン議会は国家の最高立法機関であり、290議席を持つ一院制で、議員の任期は4年です。イラン内務省によりますと、今回の選挙には7600人が立候補の申請を出しましたが、そのうち約1700人が事前審査で却下されたほか、1400人が個人の原因で選挙から撤退しました。そして、改革派の三分の一が立候補の資格が取り消されました。このため、改革派が勝利する可能性は少なく、保守派が引き続き国会を掌握することになりそうです。
今回の選挙では、立候補者が記者会見や、マスメディア、インターネット、メール、ポスターなどを利用して選挙運動を行うことが許されます。しかし、憲法擁護評議会が事前に改革派の多数の立候補者の資格を取り消したため、改革派が勝つ可能性は大幅に減少しました。
国民は今回の選挙に対して、あまり関心を寄せていません。特に、テヘランで前の週からスタートした選挙活動は市民の消極的な態度が明確に示され、国民の不満の表れとなりました。
アハマディネジャド大統領が2005年に就任して以来、ハタミ前大統領を始めとする改革派とラフサンジャニ元大統領を始めとする実務派はよく努力してきました。そして、イランの内政と外交はますます保守的で強硬になってきました。去年9月4日、逝去した過激保守派の宗教指導者メシュキニ議長に代わって、ラフサンジャニ元大統領はイラン専門家会議議長に就任しました。これは一時、穏健保守派の強硬保守派に対する勝利と見られました。イランのマスコミもラフサンジャニ議長の当選がイランの政治生活における重要な発展と考えました。
しかし、数ヶ月後、改革派はその予想通りの勢いが見られません。改革派の14日の選挙での獲得議席は、290議席のなか50議席程度となると見られます。一時よく報道されたラフサンジャニ議長も人々の視野から消えました。
立候補者の所属から見れば、今回の選挙では多くの前イスラム革命防衛隊のメンバーが国会議員に当選し、議会の中で、宗教関係者の数が減少すると見られます。この変化は重要なシグナルでもあります。議会に入る可能性のあるこれら前イスラム革命防衛隊のメンバーは全て強硬的な保守派だからです。
アハマディネジャド大統領がイランの核問題で示した強硬な態度によって、国民からの支持率が低下し、その故里のテヘランでも、人々はその盲目的に国際社会と対抗する政策に反対しています。
いずれにしても、選挙の結果は、保守派にとって有利となるでしょう。議会は多くの面でアハマディネジャド大統領のコントロールが効果なくなり、さらに、保守的なハメネイ最高指導者に忠実になっていくでしょう。(翻訳:董)
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