パキスタンの選挙管理委員会は24日、10月6日に実施した大統領選挙でムシャラフ大統領が最多得票をした開票結果を認めると発表しました。
選挙管理委員会はこの開票結果の確定を選挙管理内閣に通知し、選挙管理内閣が、ムシャラフ大統領の再選を正式に発表することになります。
大統領報道官は「陸軍参謀長の辞任と次期大統領の就任の期日が明らかになっていないが、選挙結果が正式に発表されれば、その時期も遠い先ではない」と述べました。
10月6日の大統領選挙でムシャラフ大統領は圧倒的多数の得票で再選されました。
しかし、大統領選挙の直前に野党側は「陸軍参謀長を兼務した立候補者は無効だとしてムシャラフ大統領の立候補資格をめぐって一連の訴訟を起こしました。
これを受け、最高裁判所は10月5日、大統領選挙の結果発表は最終決定の後行うよう要請しました。
最高裁法廷は今月22日までに野党からの提訴を全て棄却し、ムシャラフ大統領の再選が確実となっていました。
最高裁は23日、ムシャラフ大統領の立候補資格は合法だと判断し、陸軍参謀長を辞任した後、次期大統領に就任することを求める内容の決定を下しました。
カユーム検事総長は「ムシャラフ大統領は今月28日に文民大統領として就任し、3日から実施している非常事態宣言を来年1月8日の議会総選挙までには解除するだろう」と語りました。
パキスタンの国内メディアは「陸軍参謀長の辞任と文民大統領への就任が確実となった現在も、テロの脅威が続いており、野党の多くが来年1月の議会総選挙をボイコットする方針を発表したことから、内政は不安定化している」としています。
今月3日、ムシャラフ大統領はパキスタン全土に非常事態を宣言し、現行の憲法を停止すると発令しました。
これについて、ムシャラフ大統領は「非常事態宣言は国家の利益を擁護し、テロの拡大を抑制するためだ」と強調しました。
24日の朝、陸軍司令部など軍の関連施設が集中するイスラマバード近郊のラワルピンディーで自爆テロが2回発生し、国営通信によりますと、少なくとも16人が死亡し、20人以上が負傷しました。
また、サウジアラビアに亡命しているシャリフ元首相は25日前後に帰国すると発表しました。
シャリフ元首相は9月10日にいったん帰国しましたが、空港に到着して数時間には、再び国外退去されました。
シャリフ元首相は今月15日、有力野党のパキスタン人民党を率いるブット元首相と協議し、ムシャラフ大統領に対抗する統一戦線の結成で合意しました。
来年1月の議会総選挙を目指し、ムシャラフ大統領、シャリフ元首相、ブット元首相の三者が攻防を続けていくことになるものと見られています。(ジョウ)
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