インドのマンモハン・シン首相は11日と12日の2日間、ロシアを公式訪問しました。
訪問の期間中、シン首相はプーチン大統領、ズブコフ首相とそれぞれ会談し、民生用の原子力協力、貿易、国連改革、アフガニスタンと中央アジア情勢などの国際・地域問題について意見を交換しました。
また、両国の合同での月探査、輸送機と戦闘機の製造協力、原子力発電ユニットの設置など協定を結びました。
インドとロシアは冷戦時代からの盟友でしたが、旧ソ連の解体に伴い、両国関係は停滞していました。
1993年1月、エリツィン大統領がインドを訪問し、新しい「友好条約」が結ばれました。
この新しい友好条約は軍事同盟の性質をもつ条項を削除し、互恵を基礎とした貿易と軍事協力関係の進展を目標としています。
また、ロシアにとってインドは経済的パートナーで潜在的な市場であり、インドにとってロシアは先端兵器と原油・天然ガスの安定的な供給元です。
政治的盟友である両国は相互補完性が関係発展の原動力となっています。
12日に行ったシン首相とプーチン大統領の合同記者会見で双方は、全面的な経済協力の新協定を起草したと明らかにしました。
インドとロシアの貿易額は去年39億ドルでしたが、今年は上半期だけで21億ドルに達し、去年の同じ時期より38%増えました。
会談でズブコフ首相は「インドとの貿易額は2010年には、100億ドルに達する見込みである。両国貿易には大きな潜在力がある。ここ数年インドとの貿易構造が合理化されつつあり、機械設備の割合も拡大している。また、民生用原子力協力の拡大も確実となっている」と述べました。
インドとロシア両国は政治、経済、軍事、科学技術、文化などの分野で密接な協力を行っています。
インド国内では半分以上の兵器がロシアから輸入されています。
ロシアはインドへの先端兵器の主要供給元として、2010年までにインドとの軍事技術協力を200件以上実施し、契約額は200億ドルに達しています。
一方、1990年代から、両国間の貿易額は30億ドルに止まっています。
ロシアは貿易額が両国関係の発展レベルに合致しておらず、貿易規模の拡大と質の向上が必要であると見ています。
また、インドは貿易関係がより密接になることを目指しています。
今回のシン首相ロシア訪問で両国は2010年までに貿易額を100億ドルとする目標を設定しました。(ジョウ)
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