アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスとドイツの六カ国が国連安保理に提出する新たなイラン核問題関連決議案が、15日、まとまりました。これで、イランが直面する圧力は、より強まるはずです。しかし、イランのアフマディネジャド大統領は、依然として強硬な態度を崩していません。これを受けて、専門家たちは、イランが実務的で柔軟な態度を取ることが、イラン核問題を平和的に解決するためのキーポイントになるという認識を示しています。
新しい決議案は、『国連憲章』第7章の第41条により、イランが直ちに安保理1737号決議を実行することを促し、イランで核開発とミサイル開発を行っている個人や団体に対し金融制裁や資金凍結を続けていくことを決め、イランに対して送金や財政援助を行わないよう呼びかけました。安保理は、この決議案について、来週、採択を行う予定です。
新しい決議案に対して、イラン政府の態度は、相変わらず硬いままです。アフマディネジャド大統領は、15日朝、核技術を待つことは、イラン国民の権利であり、安保理のいかなる決議もイランの核開発を阻止することはできないと表明しました。
アフマディネジャド大統領の発言は、イラン核問題の平和的解決を拒否することになりますが、専門家たちは、「決して改善できない状況ではない。イラン政府には、妥協する可能性が十分ある」との認識を示しています。
イランは、以前から、核問題において、硬軟二つの立場を使い分けています。イランは、国際社会に核の権利を承認してもらうために、ウラン濃縮活動を堅持していくと主張しています。これを前提として、イランは、建設的な提案を歓迎し関連国と交渉したいとしています。自国の利益を最大にするため、イランが適切な時期に戦術的な譲歩をする可能性も十分あると見られています。最近、ハタミ前大統領などやメディアが、イラン政府はより柔軟なルートで核問題に対処すべきだと呼びかけました。イランの経済界も、安保理がより厳しい制裁を行うことを懸念しています。国内外からのプレッシャーを軽減するため、イランは、西側諸国の督促に応じ、関連国との交渉を希望すると表明しました。
一方、国際社会は、イラン核問題への対応で一致に達しています。それは、交渉を通じて核問題を解決し、核不拡散体制を強化するとともに中東地域の安全が損なわれるのを防ぐことです。イラン核問題を平和的に解決することは、六カ国が決議案を作る上での大きな前提です。
したがって、イラン核問題を平和的に解決する可能性はまだあります。この情勢の下で、有識者たちは、イランが実務的かつ柔軟な態度で、安保理の関連決議を着実に実行し、IAEA・国際原子力機関に全面的に協力し、交渉の再開に条件を作るべきだとしています。
関連各国が、冷静を保ち、平和的な解決を堅持し、交渉再開に良好的な雰囲気を作ることこそ、イラン核問題を解決する賢明な方法です。(翻訳:李軼豪)
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