過ぎ去った２００６年は波瀾万丈の一年だった。双方の努力によって、安倍総理の訪中が実現され、政治的困難を乗り越え、両国関係の改善と発展にむけて大きな一歩を踏み出した。今後日中関係の大きな方向性についても、日中共同声明など三つの政治文書の原則に基づき、政治と経済の両輪を力強く作動させ、戦略的互恵関係を構築し、平和共存、代々友好、互恵協力、共同発展という大きな目標を目指してともに努力していくことで合意した。その後、日中関係は全般的に明るくなり、各分野の交流と協力が再び活発化されつつある。これは正に両国国民が望んでいるところであり、国際社会特にアジア諸国からも歓迎されるものだと思う。

　２００７年は国交正常化３５周年という節目の年にあたり、日中文化スポーツ交流年でもある。私たちに与えられた大きな課題は、いかにして日中関係を安定的軌道に乗せていくかである。そのために、一つ目は、両国首脳の相互訪問を実現し、信頼関係を深め、抱えている問題を善処し、両国関係の政治基盤を強化していくこと。二つ目は、互恵Win-Winの精神に基づき、各分野の交流を推進し、新しい協力分野を広げ、両国関係の経済基盤を深化していくこと。三つ目は、様々な形の人的交流を行い、特に青少年、文化、スポーツ、地方交流など民間の大交流を展開し、両国関係の社会基盤を広げていくこと。要するに、日中関係を今度こそ好循環させ、逆転できないものにしていくことが双方の共通した責務だろう。

　その重要な一環として、温家宝総理は今年４月に日本を訪れることになり、中国総理として７年ぶりの訪日で、たいへん重要な訪問である。これは中国指導者と政府が下した重大な決断で、安倍総理が首脳同士頻繁に会おうという呼びかけに応えるものである。中国側は温家宝総理の訪日を大変重視しており、中国国民からも大きな関心を寄せている。ぜひ双方がともに努力して、訪問を円満に成功させよう。そして、今回の訪日を通じて、日中関係を安定的軌道にのせ、戦略的互恵関係の枠組を築き、これからの中日関係の大きなピクチャーを作っていくことを切望している。

　今、日中関係は新たな出発点に立っている。日中友好協会並びにすべての日中友好に取り組んでいる友人たちが優れた伝統を受け継ぎ上げ、より多くの日本国民と手を携えて、日中民間交流の新たな高まりを迎えるよう心から期待している。