ナトゥラ峠は中国チベット自治区の亜東県とインドのシッキム州を結ぶ中国とインドの主な陸上貿易ルートでした。1962年、中国とインドとの紛争が本格化してから、この貿易ルートは閉ざされました。しかし、中国とインドの関係が改善されるのにともない、7月6日、44年ぶりに再開されました。これに対して、中国とインドのビジネスマンは共に大きな期待を寄せています。
インドのグラングさんは、チベットで貿易許可を受けた初めてのインド人ビジネスマンの1人です。彼は、食品加工の商売をしており、「今日は、めでたい日だ。私は、ジャムやキムチなどをたくさん用意している。これらの食品がチベットでよく売れると思う。いい食品を中国に運んで売りたい。44年ぶりに、両国のビジネスマンが再び握手することができて、今日は本当に喜んでいる」と話します。
ラクホティアさんは今年80歳。ナトゥラ峠が閉鎖される前の7年間、ここで貿易に携わって利益を上げたそうです。今は、ホテル、映画館、建設会社、貿易会社などを経営しています。ナトゥラ峠が再開されて、彼は、やる気満々のようです。「ここが再開されて、非常にうれしい。1954年から1961年、亜東県でビジネスをやって、商売がうまくいった。中国市場に需要があれば、私がそれを売る。まずは、チベットに行って、市場を視察したい」と期待を寄せます。
ラクホティアさんのビジネスの一部は、すでに、息子さんが引き継いでいます。息子さんはすでに将来の青写真を描いています。「私は非常にうれしい。今は父からこのビジネスを引き継いでいる。現在、チベット南西部の需要を大切にしている。というのは、そこがシッキム州に近いから。チベット南西部の市場においては、小麦粉や植物油の需要が多い。ここは中国の内陸から離れているので、シッキム州から商品を輸入すれば、値段がずいぶん安く抑えられる。私は、シッキム州で小麦粉や食品を加工する工場を作り、地元の雇用を増やしたい。これは双方にとっても、プラスになる」と述べました。
シッキム州商工会のサルダ会長は、「私たちは、チベットが必要とする分野に投資したい。また、チベットならではの輸出品が何かを知りたい。今回は、非常にいいチャンスで、興奮している。われわれは、この貿易ルートの再開をずっと待っていたから。中国、インドは、両国の間の貿易と交流は互いにとって必要不可欠なものだ。貿易が増えれば、すべての分野における発展が可能になるのはいうまでもない」と語りました。(翻訳:ハルオ)
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