第7回インド・EUサミットが13日、フィンランドの首都ヘルシンキで行われました。インドとEU・欧州連合は、すでに2年前、戦略的パートナーシップを確立しており、今回のサミットを通じて、双方はこの関係をさらに強化する具体的措置を決めることになります。
今年のサミットでは、インドのマンモハン・シン首相とEUの輪番議長国であるフィンランドのヴァンハネン首相が、両国関係と国際問題について、踏み込んだ話し合いを行いました。また欧州委員会のバローゾ委員長とEUのソラナ共通外交・安全保障上級代表も、今回の会議に出席しました。議題としては、反テロ、双方の貿易投資の拡大、エネルギーと科学技術分野での協力、戦略的パートナーシップの強化、国連改革とインドの国連常任理事国入り、それに中東情勢などの内容が上がっています。このほか、インドは、今回の会議で、アメリカとの間に結ぶ核技術協力協定への支持をEU各加盟国に求めます。
インドとEUの指導者による年に一度のサミットは、2000年から始まったもので、インドとEUの関係をこれまで築いてきた貿易関係を基礎とした上で各分野に拡大し、より深く発展させようというものです。専門家によると、インドとEUの関係が緊密化しているのは、この関係が、次の点で双方の思惑に符合したからだと見ています。
まず、EUとの関係を発展させることが、インドの外交における重要な一部分となっていることです。EUは、現在世界の政治構造の中で重要な役割を果たしています。このため、EUとの関係を発展させることは、インドが世界的な大国になるために必要なことといえます。またインドは、常任理事国入り、そしてアメリカとの核技術協力協定などの問題でEUの支持を必要としています。アメリカとインドが、ここ数年、結びつきをさらに深めているのを受けて、EUにとっても、この関係を強化することが大きな意義を持っているといえます。
加えて、経済面での思惑もあります。インドは現在、高度経済成長の真っ只中でEUの各加盟国にとっては、重要な新市場となっています。2005年、インドとEUの貿易総額は、400億ユーロに達しました。またインドのEUに対する輸出額は、国の輸出総額の24%を占めています。
このほか、バイオテクノロジーと情報技術分野におけるインドの能力が世界に認められたという点が挙げられます。インドは去年9月、EUと『ガリレイ計画』に関する協力協定に調印し、この民用航路誘導衛生計画の4つ目のパートナーとなりました。また、今年5月、ITER・国際熱核融合実験炉計画の協定も締結され、インドは、その重要な参加国の一つとなっています。これについて、欧州委員会のバローゾ委員長は、「インドがこの2つのプロジェクトに参加したことは、インドがすでにEUにとって重要な戦略的パートナーとなったことを示している」と述べています。
今回のサミットに先だって、EUは、「EUとインドの関係はここ数年、極めて順調に発展している。インドは、国際舞台での地位を日増しに高めているのに加え、高い経済成長を続けていることも、双方関係の発展の基礎となった」と示しました。インドのヒンズー紙が12日に掲載したバローゾ委員長の論文でも「今、EUとインドの関係を一層発展させる時が来た」と述べています。
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