イラン国会は27日、国際原子力機関への協力見直しと核開発を加速させる法案を可決しました。
この23日国連安保理がイラン制裁決議1737を採択した後、イラン政府は直ちにこれを拒否する立場を表明しました。
イラン国会で可決された法案は「国益に基づき、核の平和的開発を加速し、また国際原子力機関への協力を見直す必要がある」としています。
アーデル議長は「203人の議員のうち161人が支持を表明した。法案は核拡散防止条約離脱と国際原子力機関枠内での交渉の2つの選択肢を政府に与えた」と語りました。
護憲評議会は27日この法案を承認し、大統領が署名してから16日目に施行することになっています。
EU世論は「イラン国会は安保理決議への政府の強硬な姿勢を支持し、この法案を可決した」と指摘しています。
この23日イラン外務省は「安保理決議は違法だ」と反発し、24日アハマディネジャド大統領は「国民は制裁を恐れず、核開発を継続する。西側が望もうと望むまいと、核技術の保有国であるイランと共生しなければならないことを学ぶだろう」と語りました。
また、ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は「ナタンツの核関連施設で濃縮用の遠心分離機3000基の設置を開始する」と発表しました。
イラン外務省高官は「イラン革命28周年を記念する来年2月に産業レベルの濃縮開始を宣言するだろう」と述べました。
イラン政府は「核の開発利用は平和目的である。アメリカは『イランは平和目的の名目で核兵器を開発するつもりだ』とイランを中傷している。これは自国の利益に基づいた偏見である。イランにとって核の開発は『核拡散防止条約』によって認められた剥奪できない権利で、合法的である。国際原子力機関はイランで『核拡散防止条約』に違反する証拠を見出すことはできない」としています。
当面の国際情勢はイランにとってプラスであり、世界経済の持続可能な発展のためにエネルギー供給の不足はネックとなっています。
イランは原油の生産輸出大国として地域情勢への影響力が大幅に拡大しています。
ロシアはイランで重要な経済戦略的利益をもっており、EU諸国もイランと貿易関係を維持しています。アメリカはイランに対する制裁で強硬な姿勢を示しているものの、イラク問題の難局に陥っています。
しかし、安保理ではイラン制裁の決議が採択され、核拡散防止体制を擁護するために国際社会の要求は一致しています。
イランは適切な時期に見ながら、国際原子力機関と安保理の要求に応じ、国際社会の関心に応え、ウラン濃縮停止などの柔軟性を示さなければ、国際社会での孤立が深まり、制裁も拡大されるだろうと見られています。
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