EUの外交・安全担当のソラナ高級代表は、27日、ベルリンで、イランのラリジャ二核交渉首席代表と会談を行い、イラン核問題を効果的に解決する方法を討議しました。そして、5時間の会談の後一旦休会して、28日、再開すると約束しました。国際問題の専門家は、次のように分析してます。ソラナ高級代表は、この会談の結果によって、イランとの会談を続けるか、或いはこの問題を国連安保理に新たに付託するかを決めます。このため、今回の会談は決定的な意味を持つ交渉になる可能性があり、今後のイラン核問題の行方を左右するものとなりそうです。
今回の会談は、ベルリン郊外にあるドイツ外務省のホテルで開かれました。ソラナ高級代表の報道官によると、会談は双方とも緊張した雰囲気で行われたということです。専門家は、ここ最近、イランとアメリカは、それぞれの態度が微妙に変化しており、この会談で何らかの進展を遂げる可能性があるとしています。しかし、まだ不確定要素が数多くあり、具体的な解決案が見出せるかについては疑問があります。
まず、イランについては、ウラン濃縮活動を中止するかどうかという態度が明らかになっていません。会談前、ある報道では、ウラン濃縮活動の中止についても、ラリジャニ代表とソラナ高級代表の会談の議題になるとされていました。アメリカの新聞「ワシントンタイムズ」は、26日、「イランは、EU関係国と会談を行う良好な雰囲気作りのために、ウラン濃縮活動を90日間停止する」と伝えましたが、イラン政府は、この報道を直ちに否定し、「この会談では、ウラン濃縮活動中止の問題に触れない。この報道は根拠がなく、問題解決の役に立たない」と指摘しました。しかし、イランのムッタキ外相は、会談前、「イランとEUの間には、相手を理解しようとする雰囲気があり、今回のベルリン会談の結果については、楽観視している」と述べました。国際問題の専門家は、国際的圧力に直面して、イランが一定の譲歩をする可能性があるとしています。
一方、アメリカの立場にもこのほど、微妙な変化が起きました。これまで、安保理がイランへの制裁で一致できなければ、アメリカは、国連を通さず、制裁連合を組織して、イランへの制裁を発動するとしてきましたが、この立場が少し変化したのです。アメリカのライス国務長官は、27日、ソラナ高級代表に電話して、EUとイランの交渉を支持すると伝えました。国際問題の専門家は、「アメリカは、EUに対し、イランのウラン濃縮活動停止を説得するため、時間を与えている」と分析しています。
国際社会の努力によって、平和的手段でイラン核問題を解決しようとする動きがまだ続いています。ラリジャニ代表とソラナ高級代表が、2日間の会談を経て、何らかの成果を収め、この問題の徹底的な解決に向け、新たな方法をみつけることが期待されています。(翻訳:ハルオ)
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