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イラン核問題にめぐる力関係が新段階へ
   2006-12-25 14:47:43    cri

 ロシア、アメリカ、中国、イギリス、フランス、ドイツなど6ヵ国が2ヶ月間の協議をした上で、安保理は23日、イラン制裁に関する第1737号決議を全会一致で採択しました。このイランの核計画と弾道ミサイルに対する制裁決議は、国際社会がイラン核問題における一般的な見解と要求を示したものであり、また、イランに明確で厳しいメッセージを伝えたものでもあります。しかし、決議に対するイランの反応とアメリカの不満から見れば、決議によってイランの核問題における新たな力関係が生まれたともいえます。

 第1737号決議は、ウラン濃縮、重水炉建設に関する活動を直ちに全面的に停止するようイランに要求するほか、各国に対してはイランに出入りするウラン濃縮、重水炉と弾道ミサイルに関する物資、技術と設備に対して輸送を禁止するよう要求しました。また、イランの核計画と弾道ミサイルについて関係者と関連会社の資産を凍結して、出入国する関係者に対して厳しい監督を実施すると共に、その状況を安保理傘下の制裁委員会に報告することも規定されています。

 この決議の最初の非公式案は、イギリス、フランス、ドイツの3カ国が10月24日に安保理に提出したものですが、この草案には大きな食い違いが存在していました。12月23日までに草案は4度も修正されました。西側諸国は、イランの制裁の度合い、貿易制限の範囲、ロシアが援助するブシェール原子力発電所、イランの責任者の旅行禁止令取り消しなどの問題で大きな変更を加えました。このほか、西側諸国は協議によるイラン核問題解決に関する約束を決議に書き込むことに同意しました。

 イランは、第1737号決議に対して再び強硬な態度を示しました。イラン外務省は23日声明を発表し、「安保理がイラン制裁に関する決議を採択したことは不法行為である。イランがこの決議を実施することはない」と述べました。イランのアハマディ・ネジャド大統領は24日「イラン国民は、安保理の制裁決議を恐れない。イランは引き続き核計画を実施していく。西側諸国は、核技術を持っているイランと平和的に接することを学ぶ必要がある」と述べました。イランのラリジャニ核協議首席代表は24日、「イランは、この日からナタンツの核関連施設で遠心分離機3000基の建設を開始する」と発表しました。また、この日イラン議会は、IAEA・国際原子力機関との協力を見直し、『核拡散防止条約』から脱退するよう政府に要求しました。

 一方、アメリカは第1737号決議に対して不満の意を表しました。アメリカの政治事務担当のバーンズ国務次官は「イランが核計画を進めるには、巨大な代価を支払わなければならないことをイランに理解させるべきだ。アメリカは、第1737号決議がイランに対してさらに厳しい制裁措置を実施するための基礎となるよう希望する」と述べました。アメリカのメディアによりますと、イランに対する警告を強めるために、アメリカは来年1月からイランの海岸へ二基目の空母艦隊を派遣することになっています。

 ヨーロッパの世論は「第1737号決議が採択されてから、イランとアメリカはすぐに新たな力比べを開始した。イランが妥協しない状況の下で、アメリカはイランに対するさらなる厳しい制裁の実施を進めていく可能性がある。これは、再びイランの強い抵抗をもたらすだけではなく、さらに各方面の食い違いが現れることになる。アメリカ、EU、ロシア、中国はイラン核問題での立場が異なっているからだ。EU、ロシア、中国は、制裁と争いが問題を複雑化させていくのであり、各方面が引き続きあらゆる外交努力を尽くし、できるだけ早く協議を再開してこそ、イランの核問題を根本的に解決することができると見ている」としています。

 

イラン
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