第61回国連大会は昨日、全体会議を開きました。会議では、参加者全員が拍手で、今年いっぱいで退任するアナン事務総長に敬意を表したのち、次期国連事務総長のパン・ギムン氏(藩基文)の就任式が行われました。
国連大会のホールの演壇に立ったパン・ギムン氏は、左手を「国連憲章」に置き、右手を挙げて、「私、パン・ギムンは、厳粛に誓います。すべての忠実さ、慎重さと良識を以って、国連事務総長の職責を履行します。私は、権力を使い、行動を判断する際、国連の利益を守ることだけを原則にします。職責を果たす際、いかなる政府や外部組織からの指示も受けず、また求めないことを誓います」と述べました。
パン・ギムン氏はこの世で最も重いポストにあたって、二つの大きな困難に直面しなければなりません。一つはアナン事務総長が残した諸問題です。その中には、世界の安全と発展のほか、中東問題、朝鮮半島の核問題やイランの核問題などの地域問題も含まれています。また国連の内部で、いかにリーダーとしての威信をいち早く打ち立てるかも次期事務総長の急務です。ですから、今年10月の国連大会で正式に次期事務総長に任命されてから、これらのことを配慮したパン・ギムン氏は、国連事務局の改革を引き続き推し進めること、メンバー国間の揉め事の調停、それに国連の信用の回復と国連の決議が着実に行使できること、この三つが今後の三大急務だと重ねて強調しています。その中で、バンキムン氏は、国連機構の改革を第一の急務とし、就任演説の後、発表したコメントの中で、再びその改革を推し進める決意を表明しました。
「皆さんに保障します。事務総長の仕事を身をもって努力し、実行していきます。国連の職員たちの意欲向上、専門知識のレベルアップと責任感の向上などに力を入れていきます。こうしてこそ、国連はメンバー国によりすばらしいサービスを提供でき、国際社会の国連に対する信頼度を元のレベルに回復できると思います」
就任式の前に、国連大会のハリーファ輪番議長と各組織の議長らが相次いで発言し、アナン事務総長の仕事ぶりを高く評価すると同時に、パン・ギムン次期事務総長と緊密な協力を行っていく考えを表明しました。さらに、77ヶ国グループの議長でもあるクマロ南アフリカ国連常駐代表が77ヶ国グループと中国を代表して次のように発言しました。
「アナン氏が自身の努力を通じてグローバル化のプロセスを人間味のあるものにしました。彼は貧困を撲滅し、発展を促進する事業の最前線に立ちながら、一番厳しいときに、多極化システムが侵されないよう断固として守っていました。」
クマロ氏は発言の中で、経済のグローバル化と社会発展を推し進めることを戦争に譬え、77ヶ国グループと中国はアナン将軍の兵士としてこの戦争に参与できてとても誇りに感じていると語りました。
ところで、アナン氏もその後の挨拶の中で、「この10年、国連は数え切れないほどの難関を乗り切り、様々な挫折を経験してきたが、誇りとする実績も数多くあげた」とした上で、「これらの実績は各メンバー国のおかげであり、また勤勉に仕事をする国連の職員たちのおかげでもある」と強調しました。
アナン事務総長はまた次のように語りました。「まもなく私は退任することになります。国連は今担っている職務がかつてより多く、果たしている役割もかつてより大きいです。国連のやるべきことはまだ終わっておらず、これからもやり終えることはないでしょう」
アナン氏の挨拶が終わった途端、席にいた192のメンバー国の代表らが立ち上がり、惜しみない拍手でアナン氏に敬意を表しました。
今月31日にアナン事務総長の任期は正式に終了し、来年の1月1日からパン・ギムン氏が正式に国連事務総長に就任することとなっています。
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