「気候変動国連枠組条約」と「京都議定書」の批准国などが環境問題を協議する「国連気候変動枠組み条約第12回締約国会議」が、17日深夜ケニアの首都ナイロビで閉幕しました。会議参加者は一部の問題で共通の認識に達しましたが、気候の変動に対応し、気候危機という状態を改善することは今後の大きな課題となりました。
会議期間中、世界各地からの100人あまりの政府閣僚と6000人以上の代表が、熱のこもった討議と踏み込んだ交流を行いました。『国連気候変動枠組条約』と『京都議定書』の各締約国は、今後数年間の気候変動に対応するための「ナイロビ計画」を可決するとともに、『京都議定書』の枠組み内で、気候変動によって災害を受けているアフリカ諸国など発展途上国を支援するための「適応基金」の具体的な運行について合意しています。また、注目されている2012年以降の温室ガス排出の更なる減少について、各締約国は詳しい行動計画を提出しました。
今回の会議で、参加国はいずれも積極的な行動を取り、気候変動に対応する決意を表明しました。
ザンビアのパンデ環境相は、「環境問題はアフリカ大陸にとって新しい課題であることから、アフリカ諸国はこれに対応できる意識を持たなければならない。特に、アフリカ諸国では、環境意識の低い人々に対するこの面での教育がこれまで不足していたので、これからはこれに尽力すべきだ」と語りました。
ところで、今回の会議は多くの成果を収めましたが、先進国は誠意が欠けていることと、技術移転に関しても進捗が少ないことなど満足できないところもあります。会議に出席した中国代表である国家気候変動対策調整グループの高広生主任は、「今回会議では、技術移転という議題で進展が見られることを期待した。持続可能な発展の道を歩み、温室ガスの排出を減らすためには、各国の技術レベルを高めなければならない。しかし、この面ではほとんど何の進展も見られなかった」と遺憾の意を表明しました。
国連がこのほど発表した報告によりますと、2004年の世界の温室ガスの排出量は、1990年代以降またも最高を記録したということですが、これによる気候変動は短い期間で生まれたものではありません。ですから気候変動に対応し、気候危機という状態を改めることも、長期的な課題となっています。中国代表団の蘇偉団長は、「今回会議はとても重要だ。これは気候変動に対応するための今後の国際協力に良い基盤を提供した。気候変動に対応することは長期的な課題であり、一日か二日で解決できるものではない。この課題に関わる分野は広く、関連した利益も複雑なことから、根気を持って一歩一歩しっかりとやっていかなくてはならない」と話しました。
|