アメリカの国家安全保障問題担当のハドリー大統領補佐官は3日、アメリカのテレビ局CNNの番組で、「ブッシュ大統領はラムズフェルド氏の提案を十分に検討し、すでに、アメリカのイラク政策修整の必要性を認識した」と述べました。
明らかになったところでは、ラムズフェルド氏の提案は、国防長官辞任を表明する前に提出したメモの中で述べたものです。このメモでは、「イラクでのアメリカ軍の状況は思わしくなく、現在、すでに、イラク政策に対する重大な修正を行う時期が来ている」と述べ、さらに「アメリカ軍を攻撃されやすい場所から撤退させ、部隊を再編成すべきだ」と提案しました。これはすなわち、米軍のイラクからの撤退を準備するという提案です。ハドリー大統領補佐官は、「ブッシュ大統領はこれらの提案を検討中で、イラクからの撤退開始を考慮している。しかし、ブッシュ大統領は決定を行なう前に、議会のイラク問題研究グループを含むイラク政策に対する各方面の意見を幅広く聴取する必要がある」と話しました。
現在、イラク情勢とアメリカのイラク政策について検討するイラク問題研究グループの報告書はほぼ完成し、水曜日に正式に公表されることになります。しかし、数日前、報告書のなかみがすでに、アメリカのマスコミにもらされました。
CNNの 報道によりますと、イラク問題研究グループの報告書は「イラク情勢を安定させるため、1000人のイラク人に15人のアメリカ兵士を配備する必要がある。この割合によると、イラク駐留アメリカ軍の人数は40万人に増す必要があり、現在の14万4000人では不足する。40万人の軍隊の費用は財政に大きな圧力を掛けることになる。これにより、撤兵の結論を得た」と述べています。
この報告書はまた、「イラク政府の力の向上を支援すると共に、米軍を段階に分けて、イラクから撤退する。素早く情勢をコントロールできれば、撤兵は相対的に遅くなってもよいが、それが難しければ、米軍に重大な被害が出るのを避けるため、より早く撤兵すべきだ。また、イラク中央政府が効果的に役割を果たせなければ、米軍の如何なる行動も無意味となる」と述べています。
様ざまな状況から分かるように、ブッシュ大統領はすでにイラク政策を真剣に検討し始めています。アメリカの中間選挙前に、ブッシュ大統領は、「既定路線を変更することはない」と述べました。その後、イラク情勢がさらに、悪化したことから、ブッシュ大統領は状況に基づいて、戦術を修正することがあると強調しました。イラク政策の修正を強く要求する民主党が国会の中間選挙で勝利した後、ブッシュ大統領はイラク情勢について、様ざまなな意見を聴取すると示しました。ラムズフェルド国防長官が辞任を表明した後、ブッシュ大統領は中央情報局のゲイツ前局長を次期国防長官に指定しました、ゲイツ氏はイラク問題研究グループのメンバーの一人であり、このことはブッシュ大統領がイラク問題研究グループの結論に同意したことを示しています。
アメリカ政府のある要人は「ブッシュ大統領の計画は、まさにイラク駐留アメリカ軍の数を次第に減少させるにある」と述べました。
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