アメリカ大統領の特別代表であるポールソン財務大臣が22日、4日間の中国訪問を終えました。その訪問期間中、中国とアメリカは共同で声明を発表し、中米戦略経済対話をスタートさせました。この戦略経済対話のスタートは、両国及び世界の経済にどんな影響をもたらすのか?これについて、中国現代国際関係研究院経済安全研究センターの江涌主任が、わが放送局の記者のインタビューに答えてくれました。
今回の訪問は、ポールソン氏が7月にアメリカの財務大臣に就任した後、中国に対する初めての訪問です。20日、中国の呉儀副首相との会談で、ポールソン財務大臣は「両国の経済関係はすでに非常に緊密である。お互いに世界の重要な経済の国として、両国は、戦略経済対話をスタートさせ、共に各種のリスクと課題に対応し、世界経済の持続的な成長と繁栄を促進すべきだ」と表明しました。これについて、中国現代国際関係研究院の江涌主任は次のように語りました。
「中国とアメリカの経済の相互依存が強いことから、今もし大きな経済摩擦が発生すれば、両国に大きな影響をもたらすだろう。ポールソン財務大臣は話しをする時は、いつも中国の金融開放の重要性を強調する。中国金融市場の開放がアメリカの金融業の発展に巨大なチャンスを提供することは、疑いがない。アメリカにとって金融分野で中国の協力を得ることは非常に重要である」と、江涌主任は述べました。
ところで、経済のグローバル化が絶えず進むのに伴い、中米両国はアジア太平洋地域と世界の経済成長の重要な促進要素となると同時に、世界経済のアンバランス問題にも直面しています。江涌主任は「中国とアメリカとの経済戦略対話は、世界経済に積極的な影響をもたらす」と述べた後、次のように語りました。
「世界経済のアンバランス問題は、主に中米両国の間に集中している。この問題を解決する鍵は、中国とアメリカとの協力にある。中米関係は太平洋を跨ることから、東アジアと北アメリカとの関係でもある。そうした意味から言っても両国のアンバランス問題の解決は、世界経済の安定した成長にプラスとなる」と述べました。
今まで中米経済協力で大きな食い違いのある人民元為替レート問題について、ポールソン財務大臣は「人民元為替レート問題を個別的に見るべきではない。中国のさらなる市場化経済管理体制への移向という大きな観点でそれに対処すべきだ」と述べています。これについて、江涌主任は次ように述べました。
「実は、アメリカや、経済専門家は、人民元の為替をどんなに調整しても、中米間の貿易状況を実質的に変えることはできないと認識している。1980年代や90年代のころ、日本円が大幅に値上がりした時も日米間の貿易不均衡を変えることはできなかった。同じように中米間もこの問題を変えることはできない。では、ここ数年来、アメリカはどうしてこの問題に執着しているのか?その目的は、この問題によってさらに多くのほかの分野における経済利益、及び政治利益を求めることにある」と語りました。
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