イスラエルのオルメルト首相が12日ワシントン入りし、今年3月就任以来2回目のアメリカ訪問を始めました。
イスラエル首相のアメリカ訪問ではイランの核問題、中東問題のほか、共和党が上下両院でいずれも敗北した中間選挙の結果を受け、今後のブッシュ政権の中東政策も議題となっています。
オルメルト首相はライス国務長官、ブッシュ大統領と会談したほか、議会、政府要人とも会い、ロサンゼルスで開かれるユダヤ人会議にも出席する予定です。
イランの核問題をめぐり、オルメルト首相は「安保理常任理事国とドイツの包括的見返り案を支持する。イスラエルの原則はイランが国際社会と協力しなければ悲惨な結果を招くことになるということだ」と警告しました。
イスラエル政府によりますと、オルメルト首相はイランに対する国際同盟の構築をブッシュ大統領と協議する予定です。
今年7月のイスラエル軍兵士拉致により、イスラエル軍はレバノン南部のイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラと交戦し、先月、極右政党「わが家イスラエル」がオルメルト首相の連立政権に参加しました。
こうした情勢の中、イスラエルのヨルダン川西岸からの撤退が焦点となっています。
アメリカ訪問を前に、オルメルト首相は撤退の方針は変わらないとし、また領土問題で譲歩する意向を示しました。
オルメルト首相は「拘束されたパレスチナ人を釈放し、アッバス議長の地位強化を支持する。いかなる情勢でもアッバス議長との対話を維持していく」と語りました。
先日、アメリカの中間選挙で共和党が議会上下両院でいずれも敗北し、また、ブッシュ大統領は国防長官を更迭しました。
こうした情勢でアメリカの中東政策に変化があるかどうかがイスラエルにとって問題となっています。
イスラエル政府では「われわれとアメリカはいずれも重大な政治問題に直面している。首相のワシントン訪問はアメリカの中東政策の方向性を問うものだ」と見ています。
また、イスラエルの新聞「エルサレムポスト」は「首相のアメリカ訪問は時期を誤った」としています。
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