今日はヒズボラに対するイスラエルの攻撃が短期間では停戦できないことについてお話します。
イスラエルはレバノンに対する空爆を3週間にわたって実施しました。
アメリカのライス国務長官は「レバノンでの停戦が数日以内に実現する可能性がある」と述べました。
一方、世論は「レバノンでイスラエル軍の攻撃が拡大を続けているため、停戦は短期間で実現する可能性がない」と見ています。
イスラエルは北部の安全を保障するため、レバノン南部国境での緩衝地帯設置を狙っています。
イスラエル政府は7月31日夜治安閣議を開き、レバノン南部で大規模な地上作戦を実施することを決定しました。
これを受け、イスラエル軍はこの地域の村落に侵入し、ヒズボラの民兵組織に対する掃討作戦を展開しました。
一方、ヒズボラはイスラエル軍の侵攻に反撃を強め、2日、丸一日でイスラエル領内にロケット弾160発以上を撃ち込みました。
今回のヒズボラロケット弾攻撃でイスラエルでは住民1人が死亡し、17人が負傷しました。
イスラエル軍によりますと、戦闘は3日までにレバノン国境から北部4マイルの地点まで進めていく予定だということです。
しかし、ヒズボラはイスラエル軍の侵攻に猛烈な反撃を行っているため、レバノン南部の緩衝地帯設置に向けた作戦が長期化しています。
イスラエルはヒズボラへの攻撃を拡大し、即時停戦を拒否しました。
イスラエルのオルメルト首相は2日、「イスラエル南部に強力な国際部隊が展開されるまでヒズボラとの戦闘を続ける」との決意を表明しました。
安保理ではアメリカがイスラエルを支持し、国際部隊の派遣をめぐる協議は緩慢になっています。
2日、フランスは「3日に予定されるレバノン南部への国際部隊派遣をめぐる安保理協議には参加しない。停戦が実施され、安保理で持続可能な平和に向けた枠組み協定が合意されて初めて、国際部隊派遣に関する協議が実現できる」との立場を表明しました。
そのため、レバノン南部への国際部隊派遣が短期間では実現できない可能性が出てきました。
イスラエル軍とヒズボラとの交戦が更に拡大する懸念があります。
イスラエル軍の特殊部隊は2日未明、戦闘ヘリコプターに乗り込み、戦闘機の護衛でレバノン国境から約100キロ北のベカー高原にあるバールベクを奇襲攻撃し、ヒズボラ幹部5人を拘束し、10人を射殺しました。
当日、オルメルト首相は「イスラエル軍の狙いはレバノンとシリアの国境にあるヒズボラの拠点を制圧し、シリアからの武器輸送を阻止するということである」と明言しました。
イスラエル軍の攻撃に備え、シリアのアサド大統領は1日、国軍に厳重な警戒体制を命令しました。
世論は「イスラエル軍の攻撃拡大で停戦は短期間には実現できず、ヒズボラの反撃も継続していく。国連安保理など停戦に向けた国際社会の具体的な措置が実施されるまでレバノン南部での交戦は継続する」と見ています。
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