アメリカのライス国務長官は25日、イスラエルとレバノンを訪問し、両国の指導者とそれぞれ会談しました。会談の中で、ライス国務長官は注目される「新中東」という考え方を出しました。
アメリカのライス国務長官はイスラエルのオルメルト首相との会談で「新しい中東をつくる時期が訪れた。一部の人は民主的で、主権を持つレバノンをゆりかごの中で殺そうとしている。最終的な勝利は我々にあるのだと言うことを新しい中東を見えたくない勢力に示すべきだ」と述べました。また、パレスチナ自治政府のアッパス議長との会談で、ライス国務長官は「戦争を防ぐため、アメリカは恒久的平和を希望する」と語りました。
関係者は、「イスラエルとレバノンの衝突が起きてから、中東地域に影響力を持つアメリカは放任的態度を取り、イスラエルとレバノンの衝突を黙認した。2週間過ぎてから、国際社会に促されて、アメリカのライス国務長官はゆっくりと中東への斡旋に行った。しかし、パレスチナとイスラエルを訪問中、両国の軍事行動と国境地区での交戦中止を促進することはなく、所謂「新中東構築」の必要性を強調した。これは当面のイスラエルとレバノン衝突に名を借りて、その中東戦略を推進し、中東新秩序を新たに確立しようとしている」と指摘しました。
まず、イスラエルがレバノンのヒズボラに攻撃を加えたことは、アメリカの「大中東構想」と偶然に一致しています。レバノンのハリリ元首相が暗殺された後、親西側の勢力はレバノン政権の主要地位を占めた一方、アメリカも、レバノンを所謂中東の民主主義を実現させる碁盤の一つの重要な駒と見ています。しかし、ヒズボラを代表とする反米勢力も非常に強力で、政府がコントロールできない武装勢力を擁しているため、レバノン政権はより弱くなりました。こうしたレバノンの政治構造を改めようと、アメリカは企んでいるのです。
今回イスラエルがヒズボラに厳しい打撃を与えたことは、反米勢力を削減し、親西側勢力を増強するよいチャンスだとアメリカは見ています。
そして、ヒズボラを打撃することに名を借りて、アメリカに反対するシリアとイランの中東地域における影響力を弱めさせようとしています。アメリカはヒズボラをイランとシリアの代理人と見ているほか、レバノンとイスラエルの衝突はイスラエルとヒズボラの争いだけではなく、アメリカとシリアやイアランとの間の間接的な争いでもあると見ています。アラブの政治評論家は「アメリカはヒズボラとハマスのいない新中東をつくり、アラブ諸国に圧力をかけて、シリアやイランと対立する共同戦線を形成させるつもりだ」と見ています。
さらに、アメリカはヒズボラへの打撃を通じて、その世界テロ取締り戦略を実現し、世界における反米勢力に警告を出そうとしています。分析者は、アメリカは既定の碁目標を実現させるまでに、イスラエルとレバノンの衝突で、イスラエルに実質的な圧力を加えることは出来ないものだ」と見ています。
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