アメリカ国防省は23日、2006年度の「中国軍事報告書」を発表しました。その中で、中国の軍事力の発展が再び歪曲されました。この中で主張した「中国脅威論」は根拠のないものだと、中国の専門家は指摘しています。
2000年から、アメリカ国防省は「中国軍事報告書」を出し続けており、それには軍事支出の内容が必ず盛り込まれています。中国が公表した正式のデータによりますと、2006年度の軍事費支出は350億ドルですが、アメリカの報告書ではこの数字の2倍以上の、700億から1050億ドルまでの予算だとしています。これについて、中国国際問題研究所の瀋世順専門家は、「この報告書では推定、推測など曖昧な言葉が多く使われいることから、アメリカが中国の軍事力の発展状況に対しては根拠のない憶測で、故意に歪曲しているものだ」と指摘しています。「アメリカの軍事報告書の中身は、毎年ほぼ同じです。毎年中国の軍事費を大きくすることも、その特徴です。今回の報告書には一部始終曖昧な言葉使いをしており、客観的で正しい評価に乏しいです」と述べました。
さらに、瀋専門家は、「アメリカは世界最大の軍事費支出国です。ここ数年、その国防支出は、毎年4000億ドルで、それはすべての発展途上国の軍事費の支出総額を超えています。にもかかわらず、防衛的な国防政策をとっている中国に対して厳しく非難すると同時に、中国脅威論を宣伝しています。このようなやり方は、中国の発展がアメリカの発展を脅かすという懸念の表れであると共に、自国の巨額の軍事費を維持することや外国向けに武器売却を拡大するために言い訳するためでもあります」としています。「アメリカのその目的は二つあります。一つは、その軍事産業の利益のためです。例えば、台湾に先進的な武器を売却することとか、ほかの地域により多くの武器を売却するために、口実を作っています。もう一つは、アメリカの軍事費は非常に大きく、すべての途上国の軍事費の総額に相当します。従って、アメリカは自分の巨額の軍事費を維持するためにも理由づけをしています」と指摘しました。
台湾問題は、ずっとアメリカが主張している「中国脅威論」の主な内容です。報告書では、台湾海峡地域における軍事力はバランス的に大陸に傾いていると意図的に誇張しています。 これに対して、中国外務省の劉建超報道官は、「一つの中国という政策を堅持し、両国のコミュニケや「台湾独立」反対の承諾を遵守するよう、われわれはアメリカに働きかけます。そして、台湾への武器売却を停止し、「台湾独立」勢力に誤ったシグナルを発信しないよう促します」と、述べました。
瀋専門家は、「中国の軍事力の発展は、主権国家として容認される範囲内にあるもので、一つの中国の発展に似合ったものです」と強調しました。
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