9月9日から16日まで、温家宝首相は、フィンランド、イギリス、ドイツ、タジキスタンを歴訪し、フィンランドの首都ヘルシンキで行われた第9回中国・ヨーロッパ首脳会合と第6回アジア・ヨーロッパ首脳会議、それにドゥシャンベで行われた上海協力機構の第5回首相会合にも出席しました。歴訪期間中、温家宝首相は、80回あまり、二国間或いは多国間の活動に出席しました。中国の李肇星外相は、今回の歴訪の成果を以下の4つにまとめました。その一、相互信頼を深め、中国とヨーロッパの協力を推進したこと。その二、中国の政策と主張を表明したこと。三、共通認識に達し、上海協力機構の実務的な協力を推進したこと。四、双方の互恵的な協力を一層深めたことです。

　李肇星外相はまた、「訪問期間中、ヨーロッパ諸国は中国とヨーロッパの貿易の不均衡、知的所有権の保護、エネルギー安全と人権などの問題において、疑念を持っていた。これに対し、温家宝首相は、誠意のある態度を示し、中国が持続可能な発展を重視し、互恵協力の戦略を実施し、エネルギーと知的所有権の保護問題に積極的に対処し、EU・欧州連合との平等な対話と協議を通じて、意見の食い違いを解消したいという立場を多くの場で示した」と述べました。温家宝首相はまた、「一時的な事情の変化や指導者の変更が中国とヨーロッパの関係に影響することを防ぐため、双方は、新たなパートナーシップ協定を結ぶ必要があり、それに関わる交渉を早期に行うべきだ」と提案しました。ヨーロッパ諸国の指導者はこれに対し、賛同の意を表しました。

　アジア・ヨーロッパ首脳会議の席上、温家宝首相は、多国間主義の強化、安全保障、グローバル化と競争力、エネルギー、異文化間の対話とアジア・ヨーロッパ首脳会議の未来の発展などの問題について、立場を表明し、アジア・ヨーロッパ首脳会議の未来の発展を導く8つの主張を提起しました。これらの立場と主張は、各方面の支持を得ました。多くの国の指導者は、中国が示した調和の取れた世界を構築しようという主張に賛同し、中国がアジアとヨーロッパの対話と協力を推進する面でより大きな役割を果たすことを期待しているとしました。

　ドゥシャンベで行われた上海協力機構の第5回首相会合の主な目的は、今年6月上海サミットで各国首脳が合意した共通認識を実行し、上海協力機構の各分野での協力を拡大し強化することについて、踏み込んだ議論を行うことです。温家宝首相は会議で、上海協力機構の経済、安全、文化などの分野での協力に関する具体的な措置を提案し、さらに、2010年までに中国は上海協力機構のメンバー国との貿易額を現在の400億ドルから、800億ドルないし1000億ドルに増加させることを示しました。

　また、訪問期間中、温家宝首相は、4カ国の指導者を始め、各界の要人と幅広く接触し、政治、経済貿易、科学技術、文化教育、エネルギー、環境保護などの分野に及ぶ30余りの協力協定に調印しました。