アフリカを訪問中の中国の温家宝首相は22日、南アフリカの立法首都・ケープタウンで中国・南アフリカビジネス協力フォーラムで講演を行ない、アフリカ諸国と新しい戦略パートナーシップを築き上げる中国の政策を詳しく説明しました。
温家宝首相はその中で「中国とアフリカ諸国は政治上で相互平等を、また経済上では互恵協力を堅持し、人文と社会の分野で交流を強化し、相互理解と友情を一段と促していくべきだ」と述べました。
温家宝首相はさらに政治分野や国際的協力について 「中国は国際の舞台で引き続き、アフリカ諸国のために、正義を持って公平な発言をする。アフリカ諸国が国の主権、独立を維持し、地域の平和と安定を実現するために努力することを支持する。安保理の常任理事国として、中国は、アフリカ諸国の合理的な要求が尊敬されるべきだと主張し、弱い立場の国々へのいじめや、二重基準に反対する」と強調しました。
中国とアフリカ諸国が外交関係を締結して今年で50周年になります。この50年間、中国人民とアフリカ人民は、国家の主権維持や民族尊厳の確保で互いに支持し合い、世界平和と発展途上国の利益の擁護で密接に協力し、友情を深めてきました。中国とアフリカ諸国は、平等で、誠意をもつ友好を保つという国際関係の手本となっていると温家宝首相はみています。
経済貿易分野の協力について温家宝首相は双方の互恵と交流の強化を強調し、さらに、「中国は、アフリカ諸国など発展途上国に対するゼロ関税政策を実施し、援助を増やし、債務を免除していく。同時に、中国企業のアフリカへの投資を奨励し、アフリカへの技術移転を促し、アフリカからの輸入を増やしていく」と述べました。
温家宝首相は「中国の発展によって、世界に広い市場が提供され、アフリカ諸国にとっても多くのチャンスがある。アフリカからの輸入は大幅に増え、双方の2005年の貿易額398億ドルのうち、アフリカらの輸入は211ドルに達し、アフリカへの輸出を上回った。中国はより大きな範囲、より広い分野で、アフリカ諸国とより高いレベルの協力を行ない、優位性と補完性を生かしていく」と述べました。
このほか、人類文化や社会分野では、中国は、アフリカの教育、衛生、文化などの事業の発展を引き続き支持します。アフリカからの中国側の援助による留学生の枠も増やし、アフリカ諸国での学校の設立を援助します。それに、医療チームを派遣し、エイズ予防と治療などで協力を行います。
温家宝首相は「アフリカ諸国との友好協力を固め、発展させるのは、中国の長期的な戦略の選択である。中国は、アフリカ諸国が自国に合った発展の道を選ぶことを尊重し、中国の価値観や発展の様式を輸出することはない」と述べると共に、「中国とアフリカの協力は、発展途上国同志の南南協力の一部で、閉鎖的で排他的なものではなく、第三者との協力を妨げることはない。また、第三者の利益を損なうこともない。この協力は、透明で開放した包容力のある協力である。その他国や国際機関の参加を歓迎する」と述べました。
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