タンザニアを訪問している中国の温家宝首相は、23日午前、ロワサ首相に伴われ、首都ダルエスサラームの郊外にある中国人専門家の墓に詣でました。また、中国が建設しているタンザニア国家スタジアムの建築現場で、両国の技術者や作業員を慰問しました。

　ロワサ首相に伴われ、温家宝首相は、「タンザニア支援で犠牲になった中国人専門家陵墓」という記念碑にゆっくりと歩き近づき、花輪を捧げてからスピーチを行い、「30年前、中国の優秀な人材は中国人民の重大な使命を抱え、海をわたってアフリアにやってきた。彼らは、勤勉で勇敢なタンザニアとザンビア人民と手を組んで、いろいろ苦労して、アフリカ大地で、現代的な鉄道を建設した。しかし、その中の一部は故郷をはるかに離れたこの土地に永遠に眠った。今日は、われわれはここで、これらの犠牲者に花輪を捧げ、限りのない思慕の意を示したい」と述べました。

　温首相は、また、「月日が流れてきたが、祖国の人民やタンザニアとザンビアの人民は中国とアフリカの友情に命を犠牲にした人々のことを忘れてはいない」と語りました。

　タンザニアのロワサ首相は、この鉄道の建設に命をかけた中国人専門家や作業員に尊重と懐かしさを示し、「ここで眠っている人々の貢献はタンザニアとザンビアの社会と経済の発展を促した。また、アフリカの中部と南部の発展も促進した。この鉄道の意義は一般の鉄道をはるかに越えた。この鉄道は、中国とアフリカ友情のシンボルとなっている」と強調しました。

　この陵墓には、中国人専門家、技術者や作業員69人が眠っています。そのうち、47人がタンザニアとザンビア間の鉄道を建設した際に犠牲になりました。タンザニアとザンビア間の鉄道は、東アフリカと中南アフリカを貫く鉄道で、これまでに、中国が海外で行った最大の支援プロジェクトです。この鉄道は1860.5キロで、タンザニアとザンビアを結ぶ主要な交通機関となりました。

　中国人専門家の陵墓を詣でた後、温首相は、中国が建設しているタンザニア国家スタジアムの建築現場を見学しました。このプロジェクトは、タンザニアとザンビア間の鉄道に並ぶ、中国政府が支援するもう一つの大規模なプロジェクトです。この国家スタジアムは両国政府が協力して作ったもので、6万の座席があり、2005年正式に着工し、2007年の1月に竣工する予定です。温首相は、建築現場の両国専門家や作業員を慰問し、「タンザニア国家スタジアムは中国とタンザニアが協力するもう一つの大規模なプロジェクトだ。中国がタンザニアを支援するシンボル的なプロジェクトだ。中国とタンザニアの技術者と作業員はここで一生懸命働き、このプロジェクトの完成のため、最大の努力を払っている」と述べました。

　タンザニアにいる中国人技術者と作業員は、このプロジェクトが時間通りに完成するために全力を挙げるとの決心を示しました。（翻訳：ハルオ）