第9回中国とEUの指導者会合が、9日フィンランドの首都ヘルシンキで開かれました。中国の温家宝首相は、フィンランドのバンハネン首相や欧州委員会のバローゾ委員長と双方の関係や共に感心をもつ国際問題及び双方の関係における意見の食い違いについて、討議しました。また、各分野における双方の対話や協力などを強化するため、「中国・EU新しいパートナー協力協定」の交渉をスタートさせることに同意しました。
中国とEU指導者の年次会合メカニズムが1998年に設置されました。温家宝首相がこの会合に出席したのは、今回で4回目となっています。この会合の後に開かれた共同記者会見で、温家宝首相は、今回会合の成果について、われわれは、全面的な戦略パートナシップを築き上げた。これを踏まえて、中国とEU諸国に関する新しい協定を結ぶ。この協定には、政治、経済、文化などの分野が含まれる。これは、中国とEU諸国の関係発展が新しい段階に入ることを意味する。今回の会合で、中国とEU諸国の協力における4つの重要な分野について討議した。それは、まず、戦略的対話を強化すること、次は、経済と貿易の実務的協力を強化すること、第3は、文化と文明の交流を強化すること、第4は、重大な国際問題についての協議と協力を強化することという4つの分野である。また、イラン核問題、アフリカ問題についても意見を交換した。中国は、これらの重大な国際問題において、EUと緊密に協議と協力を行っていきたい」と述べました。
また、この会合で、中国とEU諸国の関係における意見の食い違いも討議されました。これらの問題について、温家宝首相は、「対中武器輸出禁止令を解除すること、中国の完全な市場の地位を認めることは、中国とEU諸国にとってプラスとなる。EU諸国は、正しい判断を下し、中国とヨーロッパ関係の発展での障害をなくす必要がある。武器輸出禁止令の解除と中国の完全な市場地位の承認は、双方の尊重と平等を示している。EU諸国の指導者が、高い見地に立って、双方関係における意見の食い違いをうまく処理できるものと信じている」と述べました。
EU諸国は、これまでの2年間連続で、中国最大の貿易パートナーとなりました。今年の上半期、中国とEUの貿易額は1200億ドルを超え、金融、投資などの分野で、双方の協力がこれからますます盛んになると見込まれています。これについて、バローゾ委員長は、「EUは、中国の改革開放を評価し、中国の完全な市場地位をいち早く認めたいが、その前提は、中国が市場経済における幾つかの技術的な問題を解決する必要がある」と語りました。
このほか、双方は、互いの市場参入の基準を修正し、投資の機会を増やすことによって、貿易関係における相互利益の最大限を図ることに同意しました。
|