日本の小泉純一郎首相は28日、カザフスタンとウズベキスタンへの訪問に向かいました。これは、日本の在任の首相が初めてこの両国を訪問するものです。専門家は「小泉首相の今回の訪問には、二つの目的がある。一つは、資源を求めることで、もう一つは、中国とロシアを牽制することだ」と見ています。
周知のように、日本が必要とするエネルギーの中でも、石油はほとんどが輸入されています。ここ数年、日本はレアメタルと石油の備蓄に努めていますが、中東から輸入する石油は石油輸入総量の87%を占めています。現在、石油産出大国のイランは、核問題で西側諸国とトラブルが続いています。もしこの状況がさらに悪化していけば、今後日本とイランのアザデガン油田の開発や、イランからの石油輸入に大きな影響を与えます。こうした状況の下で、新しい石油の供給国を探すことは、日本の急務となっています。カザフスタンの石油資源は豊富で、調査の結果、石油の埋蔵量は100億トン以上に達しています。このほか、タングステン、クロム、燐、マンガン、銅、鉛、亜鉛、モリブデン、石炭、及び天然ガスの埋蔵量も豊富です。ウズベキスタンも豊富な資源を持っており、特にウランの埋蔵量が豊かです。この二つの国との関係が良好になれば、天然ガスが乏しい日本にとって、大きな意義を持ちます。
カザフスタンや、ウズベキスタンと良好な関係を保っている中国やロシアを牽制することは、小泉首相が今回訪問を行うもう一つのねらいです。カザフスタンとウズベキスタンは、上海協力機構の加盟国です。中国は、今年5月25日から、中国とカザフスタンが結ぶ石油パイプラインを通じて正式に石油を輸入し始めました。先日、中国とカザフスタンはカザフスタンのアルマトイと中国新疆ウィグル自治区のイニン市で"天山1号"と名づけられた合同反テロ軍事演習を行いました。これは、中国とカザフスタンの安全部門が上海協力機構の枠組み内ではじめて、行った合同の反テロ演習です。去年11月、ロシアとウズベキスタンは、合同防衛などの内容を含む同盟条約に調印しました。中央アジア地区の大使を担当した経験を持つ日本の高官は「カザフスタンとウズベキスタン両国は、中国とロシアの裏庭のようだ。そのため、日本はこの地区での発言権を得ることが非常に重要である」と語りました。日本の麻生太郎外務大臣は「日本が中央アジアでの影響力を強化し、この地区での存在感を示すことができれば、日本の外交はさらなる深さと広さを持つ」と述べました。今年6月、上海協力機構サミットの期間中、日本は、日本が主導した "中央アジアー日本"外相会議を東京で開きました。これによって、日本が中国とロシアに対して取る態度が明らかになりました。小泉首相が、任期を終える直前に、急いでカザフスタンとウズベキスタンを訪問するのは、中国とロシアを牽制するためと見られています。
しかし、専門家は「小泉首相は中央アジア訪問で、満足して帰国することができない。特に、中国とロシアを牽制する面でその目的を達することができない」と指摘しました。
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