中国、日本、韓国3ヶ国の小中学校歴史教師の代表は、このほど、北京で初めて開かれた歴史教育経験交流会で、3ヶ国の歴史教育での意見の食い違いについて討論を行いました。このうち、日本の侵略歴史、日本の小泉首相が何度も靖国神社に参拝したことなどの問題をめぐって、児童・生徒をどういうふうに教育するかが、討論の焦点となりました。3ヶ国の教師は、歴史教育が平和の理念を踏まえ、特に、3ヶ国の近代史教育は、マクロ的な東アジアの角度から行うことで意見が一致しました。
中国、日本、韓国の3ヶ国は、歴史、地縁と文化が、切っても切り離せない隣国関係にあります。日本軍国主義は19世紀から20世紀にかけて、侵略戦争を起こしました。これは、中国、韓国や朝鮮などのアジア諸国の国家安全、主権独立と領土保全を深刻に破壊し、これらの国々の経済、文化に壊滅的影響を与えました。20世紀半ばの日本の中国に対する侵略戦争中だけでも、中国軍隊と民間人の死傷者の数が3500万人を超え、財産の損失と戦争による被害は5600億ドル以上に上っています。韓国と朝鮮は、日本に侵略され、殖民地にされた時間も長くなり、国家と民族は存亡の脅威にさらされました。
しかし、戦争が終結してからの数十年間、日本の右翼勢力はこの侵略歴史を否認し、歪曲したりしました。今回の交流会は、侵略戦争認識の問題に焦点を当てました。
日本の徳島県の教師、富田真由美先生は、「小泉首相は、第二次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社を参拝することは、青少年に間違った方向に導く。自分の使命としては、児童・生徒に歴史の真実を教えることだ」と述べました。
北京市海澱区の謝群先生は、 「歴史の真実を直視して、その真実を児童・生徒に教える。児童・生徒が自らの観点で観察し評価する。歴史を尊重することを児童・生徒に身につけさせることは3ヶ国の歴史を教える教師の共通の希望である」と語りました。
日本からの教師によりますと、去年、日本の右翼勢力が、歴史を歪曲した歴史教科書「新歴史教科書」を編修しました。しかし、この教科書は日本での採用率が0.5%しかありません。現在、右翼勢力は、憲法改正を通じて、日本の侵略の歴史を肯定することを企んでいます。しかし、日本国内の教師に反対されています。
韓国の小学校の教師バエ・ネウングジャエ先生は、 「歴史を歪曲することは、覇権主義と軍国主義の現れである。これまでの100年間、私たちは、その被害を蒙った。これからの児童が真理と正義を守り、正しい社会の主人であるように教育を行う」と強調しました。
去年、中、日、韓3ヶ国の40人あまりの学者は、共同の視点で客観的な「東アジア三国の近代史」という教科書を編修しました。今回の交流会期間中、3ヶ国の教師たちは、この教科書を高く評価しました。
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