イスラエル軍とレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラとの武力応酬が16日にエスカレートしました。
ヒズボラはイスラエル第三の都市ハイファにロケット弾を撃ち込み、少なくとも8人が死亡しました。
イスラエル軍とヒズボラとの交戦がこの12日始まって以来、ヒズボラは予想以上の攻撃力を示しました。
14日、レバノン沖でヒズボラはイスラエル軍の艦船を攻撃し、兵士4人が死亡しました。
イスラエル軍によりますと、5日間にわたる交戦でヒズボラは4分の1の戦力が壊滅したものの、その意思決定体制は依然機能しており、大量の武器・弾薬が備蓄されています。
関係者の推測によりますと、ヒズボラが備蓄したロケット弾とミサイルは1万個にも達し、その一部の射程距離は70キロを超え、イスラエル中部の大都市テルアビブに対するミサイル攻撃も可能です。
ヒズボラの指導者ナスララ師は16日、「イスラエル軍の空爆は誤った情報に基づいて実施されたもので、我々はイスラエルへの電撃攻撃を継続する」と予告しました。
ハイファへのロケット弾攻撃を受け、オルメルト首相は「イスラエルは困難で複雑な時期を迎えており、当面の情勢は短期間で終了する可能性はない」と述べました。
報道によりますと、イスラエル軍はヒズボラの軍事施設に対する掃討作戦を実施すると発表し、地上部隊の戦車と装甲車は16日からレバノン国境への大規模移動が始まり、レバノン侵攻の地上作戦とヒズボラへの攻撃拡大が予測されています。
世論は「イスラエル政府はレバノン国境への軍隊の移動を実施し、攻撃拡大を予告したものの、戦争勃発による大きな危険性を意識している。そのため、イスラエルは問題の外交的解決を放棄せず、イタリアのプローディ首相を通じて停戦条件を伝えた。条件は拉致された兵士2人を釈放し、ヒズボラは国境から30キロまでの地域へ撤退する」となっています。
イスラエル軍指導部は「軍事攻撃はヒズボラに大きな打撃を加え、壊滅させることではなく、武装解除をさせることも可能ではない」との姿勢を示しています。
リフニ外相も「軍事行動はヒズボラをレバノン南部から駆逐し、その軍事力を抑え、この地域をレバノン政府に管理させ、治安維持を担当させる狙いがある」と述べました。
世論は「イスラエルはヒズボラを攻撃すると共に、レバノン政府に圧力を加え、外交的解決で難局打開を求めている」としています。
|