イスラエル軍とヒズボラとの交戦が激化している情勢を受けて国連は１８日停戦に向けた一括決議案を安保理に提案しました。

　国際社会の調停が展開しており、イスラエル軍とヒズボラの戦闘は交戦と交渉の両立となっています。

　一部の世論は「イスラエルは軍事的優位性を維持し、交戦で主導権をもっているため、戦闘の停止は自国と同盟国であるアメリカの軍事と政治の目的によるものだ」と見ています。

　イスラエルのリブ二外相は１８日国連調査団と会った際、「国際社会の調停を受け入れるものの、調停の開始は軍事攻撃の早期停止と攻撃規模の縮小を意味するものではない」と明言しました。

　イスラエル軍は「ヒズボラの軍事的脅威が解消されるまで停戦せず、１週間にわたる空爆でヒズボラの半分の戦力を壊滅させた。戦闘の目標が達成されるまでまだ１週間以上続くだろう」と発表しました。

　世論は「イスラエルへ最大の影響力をもつアメリカがイスラエル軍とヒズボラの交戦に消極的な回避姿勢を示し、情勢への介入を控えている。ヒズボラに打撃を加え、シリアとイランに脅威を与えることはアメリカの利益に合致している。一方、イランとイラク問題が解決されていないため、レバノン情勢が悪化すれば、アメリカの戦略にマイナスの影響を及ぼすことになる。レバノンの現政権では反シリア派が過半数を占め、イスラエル軍のヒズボラ攻撃で反シリア派の主導的地位が損害されれば、アメリカの利益にとってマイナスとなる」と見ています。

　ブッシュ大統領は「イスラエル軍の侵攻がレバノン政権を弱体化してはならない。レバノン政権の倒壊を回避させる必要がある」と明らかにしました。

　ライス国務長官は「条件が整う限り、停戦が実現する。有益ならば中東地域を訪問する」と述べました。

　このため、ライス国務長官の中東訪問の時期と日程は注目を集めています。

　イスラエルは拘束された兵士の解放、ヒズボラの攻撃停止とレバノン南部からの撤退、レバノン軍の南部地域駐屯を停戦条件としています。

　国連調査団に対し、イスラエルは停戦を前に拘束された兵士を解放し、国連決議１５５９号に基づき、レバノン軍が南部地域に駐屯し、ヒズボラ民兵組織の武装を解除するよう求めています。

　１８日、リブ二外相は「レバノン南部で国連部隊とレバノン軍の同時展開に反対せず、レバノン軍が南部国境で即時に展開すれば、ヒズボラ武装解除の期限延長を受け入れる」と譲歩を示唆しました。

　世論は「ヒズボラの武装解除が短期間で実現できないため、イスラエルはアメリカと共に、交戦が停止されれば、武装解除の実施日程と監視体制を確立するよう国際社会に求めるだろう」と予測しています。