数日間の後、中国とアメリカの指導者はワシントンで再会します。今回の中米首脳会談は世界が関心を寄せ、そのうち、両国の貿易問題は特に注目を集めています。胡錦涛国家主席はブッシュ大統領と何をめぐって討議するのか、両国の貿易摩擦を如何に解決していくのか、これらの問題は注目の焦点となっています。

　胡錦涛国家主席のアメリカ訪問前、中米間の政界、経済界の高官や、商工界、企業界の関係者は頻繁に会い、両国関係の緊密さをアピールし、また摩擦をさらけ出しています。まずはアメリカ側から、アメリカ国会で重要なポストを占めている2人の上院議員が中国を訪れ、アメリカ商務長官が中国商務省を訪問し、アメリカ国土安全相もついに中国訪問を敢行しました。また、中国側から、呉儀副首相は17人の閣僚級高官と200人の企業家からなる商務代表団を率いてアメリカを訪問しました。これら相互訪問の中で、双方は激しい論争を行ったものの、雰囲気を和らげる姿勢や行動を取りました。これは双方が胡錦涛国家主席のアメリカ訪問により良い雰囲気を作りたいことを表しています。

　中国外務省の何非次官補は、「当面の中米関係には摩擦が存在しているものの、全体から見れば良いものだ」と語りました。何非次官補はさらに、「強くて健全かつ安定した中米関係は両国民の利益に符合するということが、双方のハイレベル指導者から国民まで分かっている。中米両国は大国なので、多くの分野で戦略的利益があり、協力を強めることは両国にとってプラスとなり、世界にとっても有利だ。もちろん、意見の食い違いは冷静に処理しなければならず、両国関係の発展にマイナス影響を与えないように努力しなければならない」と語りました。

　中米間の意見の食違いと言えば、両国の経済貿易関係に言及しなければなりません。実は経済貿易は中米関係の中で、発展が最も早くそれだけに、摩擦が割りと多い分野です。最近、経済貿易の摩擦は著しくなっています。統計データから見ればそれがはっきりします。

　現在、アメリカは中国の二番目の貿易パートナーであり、最大の輸出市場で、六番目の輸入市場でもあります。これに対し、中国はアメリカの三番目の貿易パートナーであり、成長が最も早い輸出市場で、アメリカの中国に対する輸出は毎年30％の伸び率で増えています。そして、中国側の統計データによりますと、双方の貿易額は2116億ドルに達し、そのうち、アメリカ側の貿易赤字は1141億ドルということです。これに対し、アメリカ側の統計データによりますと、双方の貿易額は2853億ドルで、アメリカ側の貿易赤字は2016億ドルということです。

　アメリカ側は、巨額の貿易赤字は人民元の為替レートが低すぎることや中国が知的所有権への保護が足りないことによるものだと見ています。これに対し、中国の薄熙来商務相は、「アメリカ側の貿易赤字は中国が知的所有権への保護が足りないことによるものだというよりも、むしろ、アメリカのハイテク製品の中国への輸出制限によるもので、それが中米間の貿易均衡に影響を与えたと言えるだろう」と反論しました。

　とにかく、中米間の巨額の貿易赤字は事実です。両国の貿易摩擦をなくすため、中国政府はいろいろと措置を講じ、努力しています。呉儀副首相がこのほど商務代表団を率いてアメリカを訪問し、総額162億ドルの購入契約を結んだことも一つの現れでしょう。