このところ、アメリカの関係高官らのロシア非難が続いています。ハマスのクレムリン訪問、イラン核問題から、イラク戦争前の情報提供疑惑、ベラルーシ選挙などの問題に関して、アメリカはしきりにロシアの外交政策を問題視しています。これは、世界からの注目を集めています。
今月初め、アメリカ外交関係委員会は、「アメリカとロシアの関係は間違った方向へ進んでいる。ロシアの発展が民主制度をはずれたことによって、両国が国際問題で共通した立場をなかなか見つけられない」との報告を発表しました。注目すべき点は、この報告がロシアのラブロフ外相の訪米前日に発表され、警告の意味が明らかだったことです。
その後、アメリカ国務院が発表した人権報告で、プーチン大統領をはじめとするロシア政府を厳しく批判しました。報告はロシア政府は議会の権力を剥奪し、言論の自由を制限し、絶えず非政府組織を攻撃しているなどと指摘しました。当時、オーストラリアを訪問中のアメリカのライス国務長官は「ロシアの民主発展が行き詰まり、ロシア人民が政府を変える要求を出すと希望する」とも表明しました。
7月にロシアが主催する八カ国首脳会議についてアメリカ外交関係委員会のジャック・ケンプ委員長は、「アメリカは七カ国閣僚級会議を開き、ロシアにメッセージを送る。ロシアはイラン、朝鮮、核拡散及びテロ取締りなどの問題で協力しなければ、アメリカはロシアをはずした七カ国グループ体制を回復する可能性がある」と表明しました。
ロシアに対するアメリカの度重なる非難に対して、専門家はアメリカとロシア両国の間に多くの問題で調整できない矛盾があると見ています。
ハマスがパレスチナ選挙で勝利したあと、ロシアはハマスをクレムリンに招きました。これに対し、ワシントン側は不快感を持ちました。このことを通じて、ロシアは旧ソ連ではなく、すべての問題でアメリカの言いなりになることはなく、自分の独立した外交政策を持っていることをアメリカに知らせました。
イラン核問題で、ロシアはイランにさらに多くの時間を与え、できるだけIAEA・国際原子力機構の枠組み内で、問題解決を希望していることから、簡単な声明を採択するよう安保理に要求しました。しかし、これからのイラン制裁に備え、アメリカは強硬な議長声明を採択するよう安保理に要求しました。ロシアが自分の意見を堅持したことで、アメリカは計画通りにイランに圧力をかけることができなくなりました。
このほか、アメリカと一部のヨーロッパの国は、旧ソ連に加盟した国に親欧米政府を作り、ロシアの利益をそごうとしています。そのために、ロシアは一連の措置を講じました。例えば、先日外国の非政府組織を厳しく管理する法律を発表しました。これに対して、「ロシアのプーチン大統領が実施したのは、反民主政策である。モスクワはエネルギーの輸出を外交政策の武器としており、アメリカとNATO・北大西洋条約機構が中部アジアにおける軍事基地の使用を制限するつもりがある」との指摘もあります。
専門家は「冷戦が終わった後、アメリカとロシアの大国関係が新しい発展を見せた。自国の利益を考え、双方の国際分野での協力は日増しに強化されている。しかし、大国としてロシアはアメリカに黙って従うだけの政策を実施することはしない。」と見ています。近い将来、アメリカとロシアの外交情況が如何に発展していくか?その発展は両国関係にどんな影響をもたらすか?われわれは注目しています。
|