1日、ニューヨーク、シカゴと首都ワシントンなどを含む全米50余りの大都市では、各地から来た100万の移民が大規模なデモ行進を行いました。ニューヨークの一部地区では多くの人々が手を繋ぎ、アメリカとラテンアメリカの一部諸国の国旗を振りかざして、「我々はアメリカ人だ」と書かれたプラカードを掲げていました。
当日のデモ行進は「移民のいない一日」というスローガンの下に実施され、デモ組織者は、移民と移民の権利擁護を支持する人々が様々なストライキを行い、名付け、就業や買い物、授業などの幅広いボイコットを通じて、アメリカの経済発展における移民の役割の重要性を示すようアピールしました。
デモに参加したメキシコからの移民は「我々は犯罪者ではない。我々は一所懸命働き、アメリカ経済の発展に非常に大きな貢献をしてきた。今日のストライキを通じて、この国へのわれわれの貢献度を政府の指導者に知ってもらいたい」と述べました。
報道によりますと、当日のデモはアメリカの一部企業とデパートの経営に影響を与え、何社もの大型の肉類製品工場は生産停止となり、マクドンナルドなどのチェーン店も営業時間を短くしています。、こうして今回のデモによって、アメリカ政界で大きな焦点となっている不法移民の問題はますます注目されるようになりました。
ところで、保守派の共和党議員の奔走により、アメリカ下院は去年末に不法移民規制法案を採択しましたが。この法案は、全ての不法移民の本国送還を実施するだけでなく、不法移民を雇用したすべての企業と個人、ひいては不法移民に援助を提供したすべての人々も処罰されると決めています。この法案の採択に対し、多くの人々はこの法案はむごいもので、人情に背いていると非難し、全米各地でこれに抗議する大規模なデモ行進を繰り広げました。
不法移民問題について、ブッシュ政権は、手こずり状態にあります。それは、ブッシュ政権が、政府による大赦は不法行為への奨励だと見なしている一方で、アメリカ商工業界の利益を考慮して、不法移民規制法案に異議を唱えているのです。このような状況の下に、ブッシュ政権は、不法移民にまずビジネスビザを発給し、その行いに基づいて、アメリカ国籍を与えるかどうか判断するという政策を考え出しました。これはブッシュ政権が国内の保守派勢力が妥協し、不法移民問題のいち早い解決を望んでいることの現われだと見られています。
関連機関の調査で、アメリカの不法移民の数はいま1100万人を超え、そのうち720万人が就職しており、この数字は、全米の就業人数の4.9%を占めていることがわかりました。
これら多くの不法移民による様々な問題にどう対応すればよいのかは、ブッシュ政権にとっては大きなチャレンジとなっているのです。
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