7月5日、イラン核交渉の首席代表兼最高国家安全委員会のラリジャニ事務局長とEUの外交と安全政策担当のソラナ上級代表は、ブリュッセルで、国連安保理の五つの常任理事国とイラン核問題の解決案について会談を行います。今回の会談で、イランがこの解決案を受け入れるかどうか、また、正式な回答を出すのがいつになるかが、注目されています。
先月6日、ソラナ上級代表はテヘランへ赴き、関係六ヶ国が提出した解決案をイラン側に手渡しました。それからの一ヶ月間で、アメリカとEUはこの解決案に対するイランの正式回答を期待していました。しかし、イランのアフマディネジャド大統領は6月21日、8月22日までに正式回答すると述べました。これに対して、アメリカは「新しい解決案を検討するにはそんなに長くかける必要はない。数週間以内に回答するよう」求めています。その後、イギリスやフランス、ドイツ三ヶ国の外相とEUのソラナ上級代表などはいずれも、六ヶ国の提案に早く回答するよう要求しています。これらの要求はイランに拒否された後、フランスのブラジー外相は6月29日モスクワで、「イランは7月15日に開かれる8ヶ国首脳会議までに正式に回答しなければならない」と述べました。また、アメリカのバーンス国務次官も今月3日、「イランが12日までに6ヶ国包括案に対して回答しなければ、アメリカは国連を通して行動を取る」と述べた上、イランにとって、交渉か制裁かという二つの選択肢しかないと強調しました。
アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、ドイツの6ヶ国は12日、パリで外相会合を行います。今回の会合と7月15日から開かれる8ヶ国サミットで、6ヶ国包括案に対するイランの回答を討議し、その対応策を練ると見られています。
アメリカやEUがイランに早く回答を求めているのは以下の理由があると考えられます。まず、イランが包括案を修正できる時間を短くし、できるだけ早く包括案の内容を全面的に受け入れさせたいためです。次に、イランがウラン濃縮レベルを高めるためわざと時間を延ばすことが心配されています。
しかし、イラン側はこの一ヶ月の間、アメリカのリズムに従わず、自分のペースで進むことばかり強調しています。イランがこのように示したのは、次のような意図があると専門家たちは見ています。第一に、アメリカやEUのタイムスケジュールを乱し、限られた時間内でできるだけ多くの外交活動を行い、ウラン濃縮や安全保障などの問題で自分にとって最も有利な結果を生み出さすように頑張るつもりでしょう。第二に、圧力に屈しないイラン政府のイメージを更に国民にアピールし、国内の支持をより多く得るつもりもあるのでしょう。最後に、核活動を行う権利を守るのは重大なことです。6ヶ国包括案には新たに積極的な内容が組み込まれているので、時間をかけて詳しく研究した上で討議する必要があるのでしょう。
いずれにしても、6ヶ国包括案はイラン核問題の解決に新しいチャンスを作りました。5日、ラリジャニ首席交渉代表とEUのソラナ上級代表との会談はどのような結果になるか注目されています。
(翻訳 王丹丹 )
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