イランの核交渉を担当するラリジャ二最高安全保障委員会事務局長は6日テヘランで「国連安全保障理事会常任理事国とドイツ6カ国の包括案には前向きな措置が盛り込まれていた」と評価しました。
ホワイトハウスのスノー報道官は「イランの反応に喜び、イランは核問題解決の新しい包括案を真剣に検討していくだろう」と述べました。
ラリジャ二最高安全保障委員会事務局長は6日、テヘランを訪れたEU・欧州連合のソラナ共通外交・安全保障上級代表と会談し、安保理常任理事国とドイツの包括案を受け取りました。
会談の後、ラリジャ二事務局長は「会談は良かった。新しい包括案を詳細に検討した後返答する。ソラナ上級代表のテヘラン訪問は核問題でEUの外交的解決意欲を示した」と賞賛しました。
これに対し、ソラナ上級代表は「会談は良い雰囲気で、前向きだった」と述べました。
この1日、安保理常任理事国とドイツはウィーンで6カ国外相会合を開き、イランの核問題の解決をめぐる新しい包括案で合意しました。
会議の後、イギリスのベケット外相は「ウラン濃縮の一時停止を前提条件とし、見返りのある包括案をイランに提示する。これはEUとイランとの交渉再開で基礎となり、安保理でイランに対する行動を控える」と発表しました。
包括案には、民用核施設の建設を支援し、イラン国内で軽水炉の建設を協力し、核燃料の供給を確保するため、関連の備蓄施設を建設し、イランのWTO・世界貿易機関加盟を支持するなどの内容が盛り込まれています。アメリカはイランに対する農業技術と民間機の売却意向を示しました。
アメリカがイランに対する制圧・敵視政策を長期にわたって実施し、強硬な姿勢を維持してきたため、核問題をめぐる交渉は難航を続け、両国の対立が激化しています。
ロシア、中国、ドイツなど国際社会の外交努力により、現在アメリカは政策を調整し、ウラン濃縮停止の前提でイランとの直接交渉を認めました。アメリカの姿勢転換により、イラン核問題の平和的解決が可能となっています。
世論は「新しい包括案の提示により、イラン核問題の解決で外交手段の優先が原則となっている。この問題をめぐって1カ月間にわたる国連安保理の論議が前向きな成果を収めた。外交手段によるイラン核問題の平和解決はイランとアメリカ双方の利益にも合致し、世界の平和と発展の需要でもある。イランとアメリカからの反応を見れば、今回の包括案は外交的解決の新しいチャンスをもたらすだろう」と見ています。
ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は「新しい包括案に前向きな措置が盛り込まれていた」と評価する一方、「あいまいな点もある」と明言しました。
ドイツのシュタインマイヤー外相は6日夜ベルリンでソラナ共通外交・安全保障上級代表と会見しました。
会見の後、シュタインマイヤー外相は「イラン側が新しい包括案を詳細に検討すると表明したため、交渉再開のチャンスが到来するだろ」と述べ、「現段階ではそれほど楽観視できないだろう」とも語りました。
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