第59回世界保健大会は22日、ジュネーブで開催されました。会議では、鳥インフルエンザを如何に防止するかという問題が重点的に討議されています。「いろいろな情況や現象から見れば、鳥インフルエンザの防止は持久戦だ」と多くの代表が見ています。
WHO・世界保健機関の統計によりますと、これまで、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、中東の50以上の国と地区では高病原性鳥インフルエンザの感染が発生し、そのうちの10カ国では、鳥インフルエンザの人への感染例が報告されました。今年の始め、感染が急速に広がり、ヨーロッパ、アフリカ、アジアでは15の新規感染国や地区が増え、人への感染例や死亡例が絶えず増加しています。今年に入ってから、全世界の死亡例はすでに去年の1年間を上回ったということです。
最近、インドネシアの北スマトラ州では一家7人が全員鳥インフルエンザに感染された新規感染例が発生し、WHOの憂慮を引き起こしています。WHOは23日、この家族の32歳の男性が22日に死亡し、これはこの家族の6人目の死者となったことを発表しました。伝えられるところによりますと、この男性は発病した息子を看病しているうちに、鳥インフルエンザに感染されたものだとのことです。不思議なことに、WHOの専門家は今になっても、この集団感染例に関連している動物感染源を見つけていなかったとのことです。「この集団感染例によって鳥インフルエンザウイルスが人から人へ感染する可能性は排除できなくなっている」と専門家たちは見ています。
専門家は、「インドネシアで現れた集団感染例は再び人々の注意を引き起こしています。鳥インフルエンザの感染はいつでも拡大する可能性があり、鳥インフルエンザと人間のインフルエンザウイルスと雑交・融合し、人間同士で感染し得るウイルスに変異すれば、深刻な事態になるだろう」と警告しています。
第59回世界保健大会に出席している一部の代表は、「当面の急務は、鳥インフルエンザウイルスが変異して人から人への感染が発生する前、各種の対策を講じることだ。当面の情況から見れば、鳥インフルエンザは人類を長期的に脅かし、その防止活動は持久戦である。各国の関連部門や関係者はいつも警戒心を高める必要があり、如何なる油断も大きな誤りを招くだろう」と指摘しました。
WHOは鳥インフルエンザの感染の警戒レベルを6段階で表示しています。今回の保健大会で警戒レベルが高められず、依然として3で、即ち鳥インフルエンザウイルスは家禽から人への感染があり得るものの、人から人への感染は難しいレベルにあります。しかし、26日、大会は決議を可決し、鳥インフルエンザの脅威に対応するため、去年可決された『国際保健条例』を1年繰り上げて実施することを決めました。
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