中国、EU ・欧州連合、IBRD・世界銀行が共同で主催する鳥インフルエンザ対策国際会議が17日から北京で開催されています。その報告によりますと、現在、全世界では、鳥インフルエンザの予防と抑制に10億ドルあまりの資金を必要としているということです。
去年以降、世界では、鳥インフルエンザの感染が絶えず拡大し、処分された家禽数は1億羽を超え、人への感染による死亡者数は70人以上に達しました。当初、その感染範囲は主に、東南アジア、東アジアに限られていましたが、今では、ロシアやモンゴル、トルコ、ルーマニアなどの国に拡大、蔓延の勢いを見せています。
北京放送のトルコ特派員はリポートの中で「トルコでの鳥インフルエンザ感染状況はますます深刻化している」とした上で「今月1日、トルコ東部地区で人への感染が発生して以来、その感染が拡大している。16日までの感染者数は19人に増え、そのうち3人が死亡した。トルコの農業と衛生の専門家はその対策において、最も困難なのは鳥インフルエンザの予防に対する認識を高め、人と家禽の接触を科学的に抑制することにくわえて、予防に必要な資金を集めることだと強調した」と述べています。
鳥インフルエンザの感染が一段と深刻化している状況を前に、各国もその予防と抑制を強化し、人への感染を防止することへの認識をあたらにしました。しかし、ワクチンの購入、緊急体制確立、また、新しいワクチンと抑制技術の開発に大量の資金を投入しなければなりませんが、現在、感染国の大多数は発展途上国で、経済が相対的に立遅れているため、資金面が最も困難な問題です。
今回の国際会議に出席したベトナムの保健次官は「ベトナム政府は鳥インフルエンザの予防と抑制に1億ドル以上の資金を投入した。しかし、まだ多くの資金が必要だ。国際組織の援助を希望する」と述べました。
ところで、感染諸国が資金の援助を求めているだけではなく、感染の予防に対しても、多くの国が資金の援助を求めています。
こうした状況の下で、国連、世界銀行、世界保健機関などの国際組織はこのほど、世界的範囲で鳥インフルエンザの予防と抑制にかける資金の算定を行ないました。その結果「世界全体で鳥インフルエンザ問題を解決するにはおよそ10億ドルあまりの資金が必要だ。」としています。これについて、ナバロ国連鳥インフルエンザ問題高級調整員は「この数字は各国際組織、各国政府と世界銀行が共同で算出したものだ。この資金を集めることが出来れば、鳥インフルエンザの対策に大きな追い風となる」と述べました。
会議の期間中、EU は1億ドルを拠出することを表明しました。中国は感染国であるものの、一定の資金を拠出し、また、これに先だって、すでにベトナムなどの国に鳥インフルエンザ予防のワクチンを提供しています。
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