最近、鳥インフルエンザが一部の地区で急速に広がっていることに、関心が集まっていると同時に、WHO・世界保健機関も高度な警戒を示しています。そして、鳥インフルエンザは人から人へ感染するか、大流行の恐れがあるかなど懸念されています。
去年の夏の末から秋の初めに掛けて、渡り鳥の移動につれて、新たな鳥インフルエンザが流行りだしました。そして、ヨーロッパ、アジア、アフリカの多くの国や地区に感染が拡大しました。
ヨーロッパでは、5日時点で、スイス、ドイツ、フランス、ポーランドでは新たな感染が見つかりました。ドイツではすでに6州に広がり、ロシアでも8つの連邦で感染が報告されています。ルーマニアの感染地は18ヵ所に上りました。さらに、ドイツは猫の死骸からもH5N1型鳥インフルエンザが検出されました。アルバニアとセルビア・モンテネグロのセルビア共和国はそれぞれ8日と9日に、初のH5N1型鳥インフルエンザ感染例があったと発表しました。
アフリカでも、鳥インフルエンザの蔓延が強い勢いを見せています。ナイジェリアで初の感染が現れてから、たちまち37州の130あまりの養鶏場で発生しました。このほか、エジプトやニジェールなどの多くの国でも鳥インフルエンザが見つかっています。
人への感染例も途絶えていません。インドネシア当局は10日、H5N1型鳥インフルエンザによる死亡者が新たに2人増えたと発表し、これで合わせて22人に上ります。中国でも10人になりました。また、WHOの報道官が9日、アゼルバイジャンでは11人に感染が疑われて、そのうちの3人がすでに死亡したと明らかにしました。
こうした人への感染の強くなる勢いに対応するため、WHOは6日から8日に掛けて、ジュネーブで専門家会議を開き、今年1月採択された鳥インフルエンザ関連文書を改正した上、早期警戒案を制定しました。この中で、WHOや各メンバー国及び協力パートナーの感染拡大の役割分担、 隔離や薬品配布などを含めた感染初期に行う抑制の具体策などが確定されました。さらに、ウイルス変異の早期発見は、人から人への大規模感染を防ぐ鍵だと強調し、感染地区へ即時に専門チームを派遣するため、WHOが5月末までに医療チームを養成することを求めました。
鳥インフルエンザが日増しに迫ってくるにつれて、WHOはその対応策に力を入れています。専門職員の福田敬二氏は10日、鳥インフルエンザを防ぐ実務チームを直ちに立ち上げると明らかにしました。この実務チームは世界各地からの100人の専門家からなり、各国の対応力の点検を手伝い、関連国家や地区または世界範囲で適当な予防措置を取ることを支援するのを主な任務としています。なお、WHOは、ウイルスの変異による鳥インフルエンザの人から人への感染の恐れがあり、国際社会が共に対応しなければならないと見ています。
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