中国国家ラジオ映画テレビ総局はこのほど、5月1日から、これまで5年間実施していたテレビドラマの題材に関する審査・許可制度を改め、文化市場にもっと適したドラマ撮影制作記録公示管理暫定方法を実施すると発表しました。この新しい管理方法にはどんな特徴があるのでしょうか?そして、中国のドラマ制作にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
これまでの制度では、ドラマ制作プロダクションが四半期ごとにドラマの題材を申告し、主管部門はそれを審査すると規定されています。新しい管理方法では、題材の審査・許可に関する手続きを取り消し、管理部門の公式ページを通じて、毎月、撮影中のドラマを一般に公開する形をとっています。
今回の調整はどのようなメリットがあるのでしょうか?国家ラジオ映画テレビ総局ドラマ管理局の李京盛局長は、「今回の調整で、関連政策と管理手段を改め、市場の調節を通じて、ドラマ産業の発展をさらに推し進めることができる」としています。新しい管理方法と以前の制度との主な区別について、李京盛局長は、
「新しい方法では、ただ製作中のドラマに対して記録を作り、管理を行うだけだ。以前と比べて、審査・許可の手続きがなくなり、ドラマの制作プロダクションは自分の実力にしたがって、自らドラマの題材を決めることができる。これによって、より質のよいドラマが作られ、市場化のプロセスが促される」李京盛局長は、このように話しました。
中国には、現在、1100社のドラマ制作会社があり、そのうちのわずかな一部がある程度の実力をもっています。この新しい暫定管理方法の実施について、それぞれの会社は違う見方を示しています。実力の強い制作会社や一部テレビ局の映画・テレビ部門は、新しい方法が実施されても、大きな影響がないと見ています。一方、一部の会社は、新しい管理方法の実施によって、ドラマ制作のリスクが大きくなり、特に、題材が重なる場合、投資が台無しになる可能性もあると、懸念しています。北京のあるメディア会社の責任者は、
「このようなやり方によって、制作会社は更なる大きな責任を持たなければならない。題材の内容や表現したものなどで、何か問題が起こると、ドラマの放送が禁止されることもあるだろう」と語りました。
中国メディア大学のホウ暖玉先生は、「この暫定方法はドラマ制作を市場化させるために定められたものだ。しかし、ドラマ制作の市場化は一部の条件を必要としている。今の段階では、その条件がまだ整っていないかもしれない。ドラマの制作は大きな資金の投入が必要なのだ。題材が審査にパスできないなど問題が起こったら、せっかく撮ったものが台無しになり、小さな会社ならつぶれる可能性もある」と、ホウ暖玉先生はこのように述べました。
管理部門は、この新しい暫定方法の実施により、中国のドラマ制作会社により大きな競争の場を提供し、すばらしい作品の誕生を期待しています。
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