アメリカ国務省は8日世界各国の人権状況に関する2005年版の年次報告書を発表しました。
アメリカのこうした世界人権報告書は中国など190以上の国と地域の人権状況に言及したものの、自国の重大な人権侵害行為を回避しました。
これに対し、中国の中央政府である国務院の報道弁公室は「2005年のアメリカの人権記録」を発表し、過去一年間にわたってアメリカの人権侵害状況を全面的に披露し、分析しました。
これをめぐって中国の人権学者・劉文宗教授は「アメリカは自国の利益を擁護するため、人権問題でこれまで二重規準を弄している。その人権報告書は事実を無視し、中国の人権状況を歪曲した。アメリカは対外拡張と西側文明制度拡大で人権を重要な道具としている。この人権を道具とするやり方は旧ソビエトと東欧諸国の解体で大きな役割を発揮した。そのため、アメリカは人権道具の利用を継続し、自国の需要と規準に合うかどうか、毎年百カ国以上の人権状況を評価し、満足ではない場合、非難を加える」と指摘しました。
中国政府はアメリカの人権報告に対し、7年連続して「アメリカの人権記録」を発表してきています。
これについて、劉文宗教授は「アメリカ国内の人権問題で暴力犯罪が最も深刻である。アメリカでは平均して毎年5万件にのぼる殺人と自殺が発生している。2004年の暴力犯罪は518万件を超え、平均して47件に1人が被害者である」と指摘しました。
中国政府発表の「2005年のアメリカの人権記録」には住民の生命の安全、司法と法執行、政治権利と自由、経済・社会・文化の権利、人種差別、婦女・児童の権利、他国への人権侵犯などの内容が盛り込まれています。
アメリカの司法と法執行機関は人間の自由に対する侵害が深刻であり、秘密監視の乱用、不法な身柄拘束、警察による暴力乱用などが挙げられます。
アメリカでは民間人による銃の所有量が世界一であるため、銃の乱用は深刻であり、約10人に1人が射撃された経験を持っています。
アメリカ人口の4分の1以上がマイノリティー・少数民族であり、人種差別の問題が存在し、それは低所得層で黒人などのマイノリティーが主体であります。
アメリカ政府はメディアを操縦して異なる意見への封鎖を実施しています。
10万人にのぼるイラク人がアメリカのイラク戦争で死亡し、その大多数は女性と児童であります。
アメリカ軍は情報を得るため、イラク人捕虜を拷問し、残酷な手段を尽くしました。
2001年からの対テロ戦争でアメリカは8万3000人以上の外国人を拘束し、現在、拘束されている外国人は1万4500人にのぼっています。
これに対し、劉文宗教授は「アメリカ政府は国内の人権状況に直面し、人権分野でこれまでの行為を反省し、自国の人権状況を着実に改善し、人権問題を利用して国際社会と対抗するやり方を改めるべきだ」と述べました。
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