8536億ドル、この最新データは中国の外貨準備高が日本を抜いて世界一となったことを意味しています。しかし、高額の外貨準備高は中国に何をもたらしてくれますか。発展を促す資本である一方、多くの挑戦をももたらしてくるでしょう。
ある程度の外貨準備高はその国の対外貿易の支払い能力を向上させます。中国の外貨準備高は主に外国からの投資や輸出貿易に頼っています。2005年、中国は600億ドルの外資による直接投資を招き、1000億ドル以上の輸出貿易を実現しました。また、海外プロジェクトの送金や海外華僑の送金など1年間だけで2089億ドルの外貨準備高を増やしました。今年2月、中国の外貨準備高は8536億ドルに上り、世界一の外貨準備国に輝きました。
中国人民大学金融・証券研究所の趙錫軍教授は「外貨準備高の絶え間ない増加は中国経済が持続的かつ安定に発展する必然な結果で、今後の中国発展に積極的な意義がある」と語った後、さらに「積極的な角度から見れば、第一に、これは中国の経済実力を表し、経済が持続的かつ急速に発展している結果だ。第二に、これは中国の対外返済能力の向上を表し、外国投資者にとっても外国の貿易パートナーにとっても、協力の自信を高める保障となる。第三に、中国が金融衝撃や外来投機に対応する能力が強まったことを表している」と述べました。
1980年代、中国の外貨準備高は100億ドルにもならず、しかし今では、世界一の外貨準備高を持つようになり、国力がずいぶん強まっています。趙教授は「豊かな外貨準備高は国民経済の安定発展を保障できる一方、外貨準備高の急速増加は中国経済の安定運行にある程度の支障を与えるだろう」と見ています。
「大量の外貨準備高は経済、主に貿易と投資の発展が不均衡によるもので、経済の対外依存度がますます強まった表れだ。長期的に続けば、国内で経済発展を促す力が抑えられる可能性がある。第二に、貨幣政策への影響がある。中国人民銀行は毎年外貨を購入するために沢山の人民元を使っている。このままいけば、正常の貨幣流通に障害を与え、経済の安定発展に差し支える恐れがある。第三に、巨額の外貨準備高は対外貿易には大きな黒字があると見られ、国際貿易や為替レールのトラブルを引き起こしやすい」と語りました。
そのため、8500億ドル以上の外貨準備高をどのように利用して、それなりのリスクを避けるかは、当面、中国外貨管理部門の重要な課題となっています。一部の経済専門家は「外貨準備高の安全性や流通性を確保した上で、多元化の投資戦略を通じて、外貨準備高の利潤上げを図って行くだろう」と見ています。
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