ここ数年間、頻発している安全生産事故に対応するため、中国の立法機関は「刑法」の修正を計画しています。今度の修正は主に安全生産事故の責任者への刑事処罰を強めることです。このほか、中国の立法機関は賄賂、マネーロンダリングなど新しい金融犯罪の処罰について明確な規定をしています。
今度の修正は1997年に行われた全面的な修正以来の6回目の修正です。これまではいずれも経済と社会発展で起きた新しい問題を修正したものです。
「刑法」の修正案草案は去年末全人代常務委員会会議に提出されました。今開催中の常務委員会会議はこの修正案について二回目の審議をしています。修正案草案で最も人々の関心を寄せる問題は安全生産と関連の内容です。
国家安全生産監督管理総局はこのほど「今年1月から4月にかけて、中国で起きた安全生産事故の件数と死亡者数が減少したが、大きな事故はまだ効果的に防止できなかった」としました。これについて専門家は「中国で安全生産事故が頻発している原因は職務上の過失である」と分析しています。去年末発生した中国東北石油化学工場の爆発による松花江の汚染事故、および河北、新疆で起きた炭鉱事故はすべて責任者の過失によるものです。
ところで、今度の「刑法」修正案は安全生産事故の責任者への処罰を強化します。安全生産施設の不合格、職員の危険作業、事故を報告しないなどの行為について、もっと厳しい刑事処罰を与えることになります。懲役期間は10年間だと定められています。全人代法律委員会の周坤仁副主任は常務委員会会議で「大きな事故を起こした行為についてもっと厳しく処罰する。民衆が参加する大規模なイベントを行うとき、安全管理規定に違反し、大きな事故を起こしたこと、また事故発生後報告しないあるいはごまかして報告することや救助を邪魔したり、災害の影響を拡大した場合も刑事責任を追求する」と修正の内容を紹介しました。
今度の修正は「刑法」の20の条項に及んでいます。内容には安全生産問題のほか、金融分野の犯罪も多く含まれています。賄賂の処罰は中国政府が今年腐敗取り締まり活動の重点的内容で、刑事面の処罰も強められました。このことについて全人代常務委員会法制委員会の安建副主任は「会社、企業以外の非政府職員が不正取引をして社会に影響をもたらす行為、たとえば医療機構の医薬品、機械の購入における巨額の賄賂についても刑事責任を追求する」と金融分野の犯罪処罰を紹介しました。
このほか、修正草案は貸付金の詐欺、証券と先物市場の不法操作、上場会社と投資者の利益を損なう行為について具体的な処罰と破産詐欺罪も提出されました。修正後の法律は日増しに深刻化しているマネーロンダリング犯罪をも厳しく処罰することになっています。(04/26 訳:殷絮)
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