中国、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、ドイツ6ヶ国の代表が参加したイラン核問題に関するパリ会議が2日夜終わりました。この会議では、イラン核問題についていかなる合意も達成されていません。参加した6ヶ国外相は9日、ニューヨークで、この問題を引き続き討議します。国際問題の専門家は、「イランは核問題で強い姿勢を堅持しているが、柔軟性を示し、外交斡旋に一定の可能性を残している。イラン核問題は外交交渉による解決方法がまだ続いていくだろう」としています。
IAEA・国際原理力機関のエルバラダイ事務局長は、4月28日、IAEA理事会と国連安保理に提出した報告で、「イランは、3月29日の安保理議長声明、つまり、30日内にイランがウラン濃縮活動を停止するという要求を守っていない」と指摘しました。しかし、この報告書は、イランが軍事用核計画をもっていることを裏付ける十分な証拠を提出しませんでした。今回のパリ会議は今月9日にニューヨークで開かれる6ヶ国外相会議の準備会議をみなされています。
今回のパリ会議で、アメリカは法律上からイランのウラン濃縮活動を停止させるため、安保理が拘束性のある決議を可決することを支援するよう、ほかの関係国に呼び掛けました。アメリカのバーンズ代表は、会議の後で、「各国はニューヨーク会議でこの問題を引き続き討議する」と述べました。しかし、会議の前、中国の代表、崔天凱外相補佐官は、記者に対して、「今回のパリ会議は、各国がイラン核問題で意見を十分に交わすことができる。中国は、外交交渉で解決を主張している」と語りました。現在、イギリス、フランスとドイツの3ヶ国は、安保理がこの問題でより強硬な決議を可決することに同意しましたが、主に外交ルートで解決する方法を取るべきだと強調しています。
イランはこのほど、強硬と柔軟という2つのシグナルを発信しました。モッタキ外相は、5月1日に、イランが改めてウラン濃縮活動を中止することはないと重ねて強調しました。イラン副大統領でもあるアガザデ原子力庁長官は2日、イランが純度3.6%から4.8%の濃縮ウランを抽出したと発表しました。また、これと同時に、サイディ原子力庁副長官は、「安保理は、イラク核問題を再びIAEA枠組み内で解決すれば、イランは、IAEAのその核施設への臨時査察を受け入れるつもりだ」と語りました。イラン核問題交渉のラリジャニ首席代表は、1日、アメリカのマスコミの取材に応じた際、「イランは、新しい方法で核問題を解決してほしい」と述べました。
これに対して、国際アナリストは、次のように分析しています。イランは強硬な姿勢を堅持する一方、柔軟性も示しています。これは外交斡旋に一定の可能性を残しています。国際社会からみると、イランへの制裁が早すぎることは、数多くの国のイランとの正常な経済貿易、エネルギー関係に影響を及ぼすほか、イランと国際社会との協力を中断させ、国際的核拡散防止体制に重大な脅威をもたらすでしょう。
一方、現在、アメリカはイラク占領から抜け出せない状態で、イランに絶対的可能性のない戦争を引き起こす能力がありません。そのため、ブッシュ大領は、外交ルートでイラン核問題を解決することは第一の選択肢だと表明しました。(翻訳:ハルオ)
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