IAEA・国際原子力機関のエルバラダイ事務局長はこの28日、IAEA理事会と国連安全保障理事会にイランの核問題に関する報告書を提出しました。
これを受け、イラン外務省のアセフィ報道官は「安保理で過激な措置が採択されれば、イランはそれ相当の応酬を行う」と警告しました。
これに対し、アメリカのライス国務長官は「安保理以外の制裁も可能だ」としています。
今回の報告書でIAEAのエルバラダイ事務局長は「イランは30日以内にウラン濃縮活動を全面停止することについての安保理議長声明の要求を遵守していない」と指摘しました。
これについてイランは「安保理が核問題の解決をIAEAに戻すならば、イランは3週間以内に詳細なタイムテーブルを提出してIAEAの質問に答え、核施設への抜き打ち査察を受け入れる」と発表しました。
ホワイトハウスはこれに対し「イランが核開発という野心を放棄しなければ、安保理付託を維持していく」とし、イラン制裁の関連決議をイギリスと検討しています。
この30日、イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は「強制的な決議を受け入れることはあり得ず、ウラン濃縮活動を継続していく。西側国家が圧力を加えば、IAEAとの協力を停止する」と表明しました。
また、イラン外務省のアセフィ報道官は「安保理で過激な措置が採択されれば、それ相当の応酬を行う。イラン側は対話による問題解決法を選択したものの、圧力と脅威に屈して対話することはない」と言明しました。
以上の状況について世論は「イランの言う安保理での過激措置とはアメリカなど西側諸国による制裁決議である。それ相当の応酬に出ると表明しているが、その内容は明らかにされていない」としています。
この26日、イランの最高指導者ハメネイ師は「アメリカがイランを攻撃すれば、われわれは世界のアメリカのあらゆる利益に報復を与える」と警告しました。
このようなイランの強硬姿勢に対し、アメリカのライス国務長官は30日、イランは国際社会とゲームをしていると非難した上で、「安保理の議長声明はウラン濃縮活動の全面的停止を要求し、それに十分な時間を与えた。安保理による問題の外交的解決を維持するものの、安保理が迅速に行動しなければ、アメリカと有志国は行動に出るだろう」と明言しました。
世論は「アメリカのイラン攻撃の条件はいまのところ整っておらず、イラン問題解決がこう着状態に陥った現状では、イラン攻撃はアメリカ国民の支持を得られない。また、イランはアメリカへの対抗姿勢を維持しているものの、現段階のウラン濃縮活動では核兵器の製造までははるかに時間がかかる」としています。
この3日に安保理は会議を開き、イランの核問題をめぐる討議を行い、また、9日には安保理常任理事国5カ国とドイツの外相がニューヨークで関連会議を開くことになっており、人々はイラン核問題のいち早い平和解決を望んでいるのです。
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