韓国外交通商省の高官は12日ソウルで「日本防衛庁所属の研究所がこのほど報告書を発表し、韓国のノムヒョン大統領の示した『北東アジア均衡論』を非難したが、これに対し韓国側は遺憾の意を表す」と語りました。日本外務省もこれ以前に、韓国の外交政策を批判する同じような報告書を発表して韓国政府の強い反発を受けています。日本のこうした行為はギクシャクしている韓日外交にさらに難題を加えたと見られています。
さきに、日本外務省がまとめた報告書によりますと、韓国政府が日本に強硬な態度を取ることは国内政治の必要からで、ノムヒョン大統領は残りの任期内自分の権力を維持し強化するため、対日問題で引き続き強硬な路線を実施していくことになると指摘しました。また、日本防衛庁所属の研究所による報告書は「ノムヒョン大統領の示した韓国が北東アジア地区で調整者の役割を果たすという理論は韓米同盟と両立できないものだ」と一般と直接的な表現で、批判しました。二つのに対し、韓国政府はいずれも抗議を行い、「日本側の行為はトラブルを引き起こし、韓日関係を危険な段階に陥らせることを意味している」と見ています。
去年2月に、日本島根県議会がいわゆる『竹島日条例』を可決して以来、韓日外交はギクシャクし始めました。歴史教科書問題や日本の小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題などが更に両国の矛盾を深めています。その原因はいくつかあります。
最大の焦点は歴史問題です。独島(日本側は竹島という)と教科書問題の本質は韓日双方が日本の朝鮮侵略歴史に対する認識が違いがあるからです。韓国側は、「独島は日本が朝鮮を侵略した時に占領した土地なので、日本が独島の主権を主張することは侵略の歴史を否定するものだ。また、日本の文部科学省が教科書の歴史問題に関する記述の修正を許可したことは、過去の侵略の歴史を美化するためだ」と見ています。
第二に、日本政府内では鷹派の力が強くなり、右傾化の傾向が著しいことです。去年10月の内閣改造以来、安倍晋三官房長官と麻生太郎外相が重要なポストを占め、歴史問題に対して強硬な態度を取っています。一部の専門家は「今の日本の政権は国内で政治的影響力を強めるため、民族主義をますます強調している。侵略の歴史を美化するのもその一環だ」と見てます。
第三に、韓国のメディアが指摘しているように、「日本のやり方は責任を相手に押し付け、故意にトラブルを引き起こすものだ」ということです。日本外務省が韓国政府の外交政策を批判した目的は韓日外交トラブルの全ての責任を韓国側に押し付け、不利な立場から有利な立場に替える狙いです。
第四に、韓国のメディアは「韓国側の対応は見掛けは大きく見えるものの、実際の効果が少ない」と指摘しています。韓国側は日本側の行為に対し、毎回のように声明を発表し、抗議の書簡を渡しているものの、余り効果がないとのことです。多くの韓国人は「対日戦略には一貫性が必要で、もっと効果的な措置を取らなければならない。教科書や靖国神社参拝などアジア諸国に関わる問題では他の国との協力を強め、『国際的力』な連携をすべきだ」と見ています。(04/13 劉叡琳)
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