中国国務院国有資産監督管理委員会がこのほど発表した文書によりますと、大型国有企業が資産と株式の増加によって上級管理職に株権の譲渡が許可されるようになったということです。これは、中国が大型国有企業における株権譲渡を規範化するための新措置と見られています。
2003年、中国は、企業の株権の多元化を実現し、関連体制の確立を促し、企業の競争力を向上させるため、企業の国有資産譲渡について専門的な規定を打ち出しました。しかし、規定実施の中で、一部の上級管理職が、株価を抑えたり、実際の資産額を隠蔽したりして国有資産を横領したことがあるから、国有資産の損失になりました。そのため、2005年4月、国有資産監督管理委員会は、大型国有企業からその上級管理職への株権譲渡を禁じると発表しました。
それから1年、国有資産監督管理委員会は、新しい規定を制定し、大型国有企業の管理職が資産と株券を増加させることによって株を持つことを許可するようになりました。これについて、国有資産監督管理委員会の李栄融主任は、「われわれは、法律法規の健全化を始め、国有資産の所有権の譲渡を規範化したうえで、その監督管理を強化していく」と述べました。
この新しい管理措置には、大型国有企業が管理職に譲渡する株は新しく発行される株に限ること、企業はもともと持っている資産を譲渡できないことなどの内容が含まれています。
新しい規定が出た後、業界や学界で論争が続いています。そのプラスの役割が認められた反面、エネルギーや通信など国の優遇政策を受けている業界で、大型国有企業は主導的な地位にあり、競争するライバル企業が少ないため、利益向上の要素が管理職の経営能力だけではありません。このような企業では、管理職が株を持つ場合、公平性に欠けると見られています。
これについて、中国人民大学・金融と証券研究所の趙錫軍教授は、これら企業において、持ち株については管理職に対して特別な対策を実施しなければならないと強調しました。
中国は、現在169社の大型国有企業があり、その資産総額は10万億元を超えました。これら企業の管理職に対して株権激励政策を実施することが、企業にとって利益の向上になるかについて、李栄融主任はまた、「激励とは、プラスの役割もあれば、マイナスの役割もある。そこには度合いがあり、国によって、度合いも違う。われわれは、できるだけそのマイナス影響を防ぐため、テスト的に実施する必要がある。テストが成功して、管理監督の準備ができた上で、この政策が中国で広く実施されるようになる。いま、そのテスト作業はすでに始まっている」と語りました。
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