アザガデ・イラン副大統領兼原子力庁長官は26日、イランのブシェールでロシアのキリエンコ原子力庁長官とイラン核問題に関する会談を行いました。会談で、双方はロシアでウラン濃縮合弁企業設立というロシアの提案で合意しました。専門家は「イランとロシアが獲得した進展は、イラン核問題の解決に希望をもたらした」と表明しました。
当日行われた記者会見でキリエンコ長官とアザガデ長官は「双方はこれからの数日内にモスクワで引き続き会談する」と表明しました。また、キリエンコ長官は「ロシアとイランが次回の協議を通じて、3月6日のIAEA・国際原子力機関理事会前に関連各国が満足する結果を獲得できると信じている」と述べました。
ロシアとイランの合意達成について、ロシアのラブロフ外相は当日モスクワで、「イラン核問題が平和的に解決できると信じている」と表明しました。
ロシアでウラン濃縮合弁企業を設立するという提案は去年12月初めて提案されたものです。この提案が各国の利益にかかわり、各国が関心を寄せていることから、EU・欧州連合とアメリカは受け入れると表明しました。しかし、イランは提案が完備されておらず、イランの国内でウラン濃縮活動を行う権利を奪うべきではないことを理由として、ロシアの提案を受け入れませんでした。今月20日と21日、ロシアとイランはモスクワでイラン核問題について初めての会談を行いました。会談の後、イランの高官は「イランとロシア双方は、ロシアでのウラン濃縮合弁企業の設立問題で合意する可能性がある」と示唆しました。その後、ロシアのキリエンコ長官は24日代表団を率いてイランに到着し、第二回会談を行い、この問題で原則的な一致に達しました。
ところで、専門家は「イラン側はただウラン濃縮合弁企業の設立提案を受け入れるとしか表明しなかった。国際社会が最も関心の寄せているイランが独立した核開発計画を放棄するかという問題について、イランは明確な回答をしていない。そこで、現在イラン核問題が最終の全面的な解決に到達するかは楽観視できない」と見ています。
キリエンコ長官は当日ロシアメディアのインタビューに答えた際、「イラン核問題の解決は二つの要素にかかわっている。つまり、いかなる国の核エネルギーの平和発展権利も尊重されるべきであるが、世界の核拡散防止条約を破壊することはできないということだ」と述べました。キリエンコ長官が表明したロシアのこの原則的な立場からみれば、ウラン濃縮合弁企業の設立はただイランの核エネルギーの平和利用の権利を守りましたが、国際社会のイランの独立核開発に対する心配を取り消していないことが分かりました。そこで、イランは必ず明確な承諾を出し、その独立した核開発活動を放棄する必要があります。
ロシアメディアの報道によりますと、イランと会談を行ったロシア代表団のある高官は「来週、ロシアとイランはモスクワで引き続きイラン核問題の解決について会談を行う。その際、ロシアはイラン核問題解決に関する一連の提案を出す。つまり、ロシアとウラン濃縮合弁企業を設立する契約に調印すると共に、ウラン濃縮及び核開発に関する一切の活動を停止するようイランに要求する」と述べたとのことです。
3月6日、IAEA理事会が行われる予定で、そこでイラン核問題を討議します。専門家は「イラン核問題がIAEAの枠組みの中で平和的に解決できるかどうかは、ロシアがその前にウラン濃縮活動を放棄することをイランに説得できるかどうかにかかっている」と述べました。
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