IAEA・国際原子力機関は2月2日、ウィーンで緊急理事会を開き、イランの核問題を国連安保理に付託するかどうかについて討議することにしています。
30日、ブリュッセルで開かれたイギリス、フランス、ドイツ3ヶ国とイランとの新たな交渉は、イランの求めで行われたものです。EU・欧州連合によるイラン核問題の安保理への付託を阻止するため、イランはその日の交渉で新たな解決案を打ち出し、EUとの交渉を継続したいとの姿勢を示しました。これについて、イランのバエーディ上級交渉代表は、「われわれイランは、核問題交渉を続けるチャンスを望んでいます」との考えを示しました。
認可されるウラン濃縮規模を確認してから、核の科学研究に限ることを確保するため、新しい解決案で、イランはIAEAとの協定に調印する意向を示しました。このほか、今回の解決案は、ロシアが提出したロシア国内でイランのウランを濃縮するという提案を条件付きで受け入れると示すとともに、2月2日のIAEA緊急理事会開催まではウラン濃縮関連活動を行わないと強調しました。
しかし、同じ日、会談終了後、イギリスのストロー外相は、会談は大きな進展を得ていないと示唆しました。「イランは交渉対象になりにくい国で、交渉は難航しています。イランは自分自身の国際地位を非常に重視しているからである」と述べました。
フランスのドストブラジー外相も、イランの新しい提案には「新しいアイディアはなにもない」とした一方、もし、イランがIAEAの要求を満たせるなら、EUとの交渉が再開する可能性があるとの考えを表しました。
また、同じ日、イギリス、フランス、アメリカ、ロシア、中国の安保理常任理事国は、ドイツの外相とロンドンで会談し、イラン核問題の国連安保理への付託問題に関する各側の立場を協調しました。ライス国務長官は会談に先立って、イラン核問題において、国際社会はイランが核を保有できないと共通認識をもっていると強調しました。「現在、各国間はすでに合意に達しています。イランは国際社会の声に耳を傾けるべきです。軍事行動を取るかどうかに関しては、われわれは、現段階でイラン核問題解決のための外交的な努力には依然としてゆとりがあるとみている」と語った一方、軍事行動は依然として一つの選択肢だと指摘し、ブッシュ政権による武力行使を否定しませんでした。
30日のブリュッセル会議と6ヶ国外相によるロンドン会議は、2月2日に行われるIAEA緊急理事会を前に、最終的な関連各国の交渉になります。これは、関連各国がIAEAの枠組み内における問題解決のための最終的な努力を物語っています。もし、緊急会議でイラン核問題を国連安保理に付託することが決定された場合、イラン核問題は、交渉が継続される、イランが警告される、イランへの制裁が実施されるという三つの可能性があります。
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