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米英、それぞれ軍を撤退させる意向を表明
   2005-12-14 17:08:53    cri

 イラク国民議会選挙を間近にひかえ、アメリカ、イギリス政府は相次いで軍を撤退させる意向を示しました。関係筋によりますと、米英両国が撤退の立場を示したことはイラク国民の外国軍隊への敵意を解消させると同時に、全面撤退を求める国内からの圧力を緩和させる目的があると見られます。しかし、イラクの深刻な安全状況から見て、米英軍の撤退は簡単ではないと見られています。 

 今、イラク駐留米軍は16万人に達し、イギリス軍は8千人となりました。米英両国の高官はこのほど、「2年6ヶ月間の予定の移行期間が終了した後、米英軍隊は段階的に撤退をすすめる。これは早ければ来年3月から始める」との考えを相次いで表明しました。このほど、アメリカ軍はナジャフ、カルバラそれにティクリートなどの地方の治安任務を地元の治安部隊と警察に移譲し、また向こう数ヶ月の内に駐留米軍を10万人以下に削減する計画を立てています。一方、イギリス政府も今月の初め、イラク南部地方に治安評価員を派遣し、地元の治安情勢を視察し、来年春の撤退のための準備活動を進めています。

 関係筋によりますと、米英両国が撤退の立場を示したことは二つの要因があるということです。まず、米英両国はイラク国民議会選挙の直前にイラク国民の人心を落ち着かせるということです。米英軍がイラクを占領して3年がたち、アメリカ人やイギリス人を対象とする襲撃事件、拉致事件が頻繁に発生しています。これはイラク国民の駐留部隊への不満が日増しに高まっていることを示しています。9月、イギリス国防省の世論調査によりますと、これらの襲撃は正当な行為だと答えた人は全体の65%で、米英軍のイラク駐留に強く反対すると答えた人の割合は82%に達し、また、外国軍が占領することはイラクの国民の安全をより脅かすと考える人は67%に達しているとのことです。鍵となる選挙の直前に、米英両国は様々な困難をもつ再建プロセスが順調に進むことを期待し、撤退の姿勢を示すことを通じて、イラク住民の不満を軽減させようとしているのです。

 次に、米英両国は撤退計画の公表を通じて国内からの圧力を緩和させようとしています。米軍兵士の死傷者数が引き続き増加し、軍事支出も大幅に増えたことによって、米英両国民が一刻も早くイラクから撤退するよう政府に訴えています。

 しかし、外交関係者は今の状況の下でイラクから撤退するのは容易ではないと見ています。米英軍撤退の前提条件はイラク治安部隊と警察部隊が単独で地元の治安状況を維持できるかということです。しかし、いまだに必要な装備や訓練が不足していることから、もし、イラクの治安情勢が好転しなければ、また、イラク治安部隊が単独で治安維持の任務を遂行できなければ、米英軍の撤退はまだ実現できないと見られています。

イラク
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